欧州

2023.12.12 12:30

ウクライナ、機械化旅団を5個新設も装甲が薄い古い戦闘車両が配備される可能性

ウクライナが同盟国から受け取った車両の長いリストを見ると、既存の旅団にすべて配備されていない車両は数種類だけだ。まだ配備されていない戦闘車両で最も数が多いのはポーランド製のKTOロソマクで、これはフィンランド製の防御力の高い車両の派生型だ。

ポーランドはウクライナに重量25トン、8輪駆動のロソマク200両の供与を約束した。最初の100両は今年供与され、残りは来年到着することになっている。少なくとも第22、44、57機械化旅団が、それぞれ少なくとも30両ほどのロソマクを運用する大隊を抱えているようだ。

理論的には、今後到着予定のロソマク100両は、3個の新設旅団の各1個の大隊を装備することができる。実際には、ウクライナ軍は旅団が戦闘中に戦闘車を急速に失うことを理解しているようで、補充のための車両を十分に持つ必要がある。

ウクライナ軍は、重量37トンある米国製のM2ブラッドレー歩兵戦闘車を計200両近く入手している。にもかかわらず、M2を第47機械化旅団の3個大隊にのみ装備しているのには理由がある。第47旅団を数ローテーション以上の戦闘に投入し続けるには200両のM2が必要だ。

そうしたことから第150、151、152、153、154機械化旅団にロソマクが装備されず、代わりに古くて防衛力の低い、たっぷりあるBMPがあてがわれるとしても驚くことではない。あるいは、もっとひどいMT-LB装甲けん引車やトラックが装備されるかもしれない。

ウクライナの同盟国は新設旅団の新兵部隊のために、近代的な戦闘車両を数百両追加で供与することを約束してくれるかもしれない。だが、供与がなくても驚かないでほしい。米連邦議会の親ロシアの共和党議員はこのほど、ウクライナへの軍事支援として600億ドル(約8兆7000億円)を盛り込んだ法案を否決した。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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