6つの惑星
初めに見つかった3つの惑星のうち、最も外側の惑星の公転周期は地球の1日で20.5日で、これはその次に内側にある惑星の公転周期13.6日の1.5倍になっている。またこの13.6日は、その次に内側の惑星の公転周期9.1日の1.5倍になっている。CHEOPSの観測で6つの惑星の存在が確認された時点で、論文執筆者らが各惑星の軌道を算出すると、主星から最も遠くにある惑星の公転周期は54日だった。したがって、この最遠の惑星が軌道を1周するごとに、最内の惑星は軌道を6周する。「CHEOPSによって得られたこの共鳴構成により、残りの周期をすべて予測することができた」と、ルケは指摘する。「CHEOPSからの検出がなければ、それは不可能だっただろう」
また、論文執筆者らが各惑星の質量と密度を算出した結果から、各惑星は水素を多く含む豊富な大気を持っているように思われる。これは、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を用いた観測のための理想的な惑星大気だ。
CHEOPSが解明の助けとなって発見された軌道共鳴状態にある惑星系は、2021年1月に発見されたTOI-178に次ぐ2番目だ。
かみのけ座について
HD110067星系は、北天の星座かみのけ座の方向約100光年の距離にある。かみのけ座は、肉眼では比較的暗いL字型の3つの星が見える。うしかい座と北斗七星と、しし座の尾の先端で囲まれた領域で見つかる。かみのけ座で最も明るい星は、真ん中のかみのけ座ベータ星で、太陽系から30光年の距離にある。双眼鏡で全体をくまなく探すと、20個以上の明るい星と多くのより暗い星が見える。これらは、かみのけ座星団(Melotte 111)と呼ばれる散開星団に属する星だ。この散開星団までの距離は約288光年で、太陽系に最も近い星団のひとつである。
(forbes.com 原文)