今年10月の国会では岸田首相も次のようにウェルビーイングという言葉を発しています。
「持続的な賃上げに加えて、人々のやる気、希望、社会の豊かさといったいわゆる『ウェルビーイング』をひろげれば、この令和の時代において再び、日本国民が『明日は今日より良くなる』と信じることができるようになる。日本国民が『明日は今日より良くなる』と信じられる時代を実現します」
ポストSDGsとなれるのか
ではこのウェルビーイングという言葉は今の日本でどのくらい認知理解が進んでいるのでしょうか?電通が全国の20~60代の男女1万人を対象に、2023年6月9日~6月12日に実施した健康に関する調査によると「ウェルビーイングとその意味を知っているか」という質問に対して、「内容まで理解している」「見聞きしたことがある程度(内容はわからない)」と回答した人の合計割合は25.4%で、2022年調査の20.8%から4.6ポイント増加しました。
言葉自体の認知はこのように少しずつ着実に広がっているといえますが、一方で「知らない、見聞きしたことがないという)という人が75%近くという数字が日本におけるウェルビーイングの現状です。
似たような用語でいうと、「SDGs」に関して電通が日本全国の10代~70代の男女を対象におこなった今年の調査では、認知率(「内容まで含めて知っている」「内容はわからないが名前は聞いたことがある」の合計)が、はじめて9割を超え「91.6%」となりました。5年前の2018年の第1回調査では、認知率はわずか14.8%でした。
SDGsは、2015年に国連で採択された「2030アジェンダ」で、国際社会全体が取り組むことを表明した共通の目標です。これにより、各国は具体的な目標とターゲットに向けて取り組むことが期待され、国際的なコミットメントが強化されました。この「2030アジェンダ」の次のテーマとして有望視されているのがウェルビーイングです。
もし、ポストSDGsとしてウェルビーイングが採択されれば、ウェルビーイングの認知、理解が一気に進むのは間違いありませんが、それはまだ少し先の話です。