各メディアのレビューを読むと、同じようなコメントが何度も繰り返されている。それは「キャンペーンはひどく、マルチプレイで多少挽回しているものの、全体的にはDLCレベルの内容だ」というものだ。以下にその一部を紹介する。
・IGNスペイン「キャンペーンはもっと大きなゲームのスピンオフのように感じられるし、ゾンビはオープンワールドにまったく合っていない。マルチプレイは、DLCにとどまるべきだった製品の救い主となっている」
・Destructoid「記憶に残らないキャンペーンなど、ゲームのほぼ半分にやっつけ感がある。(中略)ただ、ゲームプレイの大幅な改善や、『ゾンビ』や『グラウンドウォー』といったすばらしいモードなど、MW3の本当に特別な部分にプレイヤーがのめり込めれば、本作のどこかに価値ある体験があることに気づくだろう」
・Pocket Lint「核となるゲームプレイは今も健在であるものの、多くの点で大きな失望を生むゲームだ。キャンペーンはひどい出来で、マルチプレイは相変わらず反復的。おもしろい新モードの『ゾンビ』のみが救いとなっている」
・Checkpoint Gaming「マルチプレイでは輝いている一方、キャンペーン、ゾンビ、露骨な金儲け戦術はいら立たしく、ファンは同シリーズのかつての栄光を恋しく思うだろう」
シリーズの他の作品で同じことが起こらなかったわけではない。マルチプレイをしっかり吟味しないままのレビューが出されたことは、これまでにもある。ただ、他の作品のキャンペーンは、MW3ほどひどくはなかった。
キャンペーンを7日間、マルチプレイを2~4日間プレイしたのみのレビューばかりだったことを考えると、その多くがキャンペーンの出来の悪さに偏り、マルチプレイの全体的な感触を考慮していなかったのであろう。あるいは、レビュアーがCoDシリーズにそこまで肩入れしておらず、MW3のマルチプレイの出来の良さが理解できなかったのかもしれない。
これは奇妙な状況だが、ひどいキャンペーンを除けば、全体的に見てMW3が今年最悪の部類に入るゲームであるようには思えない。プレイヤー一般の意見とレビューのメタスコアがここまでかけ離れたタイトルはとても珍しい。
(forbes.com 原文)