それには理由があることが、ゲームジャーナリストのジェイソン・シュライアーによる報道で明らかになった。シュライアーによると、開発元のSledgehammer Gamesはやはり、本作の開発を突貫工事で進めたとのことだ。それまでの『Call of Duty』シリーズは約3年ごとに新作がリリースされていたが、MW3のキャンペーン部分はわずか1年4カ月のクランチ(長時間の残業をともなう過酷な労働)で完成させなければならなかったのだという。
MW3はもともと完全新作ではなく、MW2の拡張パックとして構想されていたが、『Call of Duty』新作を年末商戦に向けて投入したいアクティビジョンの意向により予定が変更されたとも報じられている。アクティビジョンはこれを否定しているが、シュライアーによると、現・元社員10人以上が、MW3はもともと拡張パックだったと聞かされていたり、そのような印象を持っていたりしたと証言している。
Sledgehammerの社員たちは以前、『Call of Duty: Vanguard』の開発でクランチを強いられており、その後は二度とこうした激務はないと聞かされていた。だがMW3ではシリーズ史上最短の1年4カ月でキャンペーンを仕上げなければならず、このスケジュールに憤慨したという。結果として出来上がったのは、短いミッションの数々からなるキャンペーンで、批評サイト「オープンクリティック」での評価は総合スコアが53点、同作をお勧めする批評家の割合はわずか8%と、シリーズ最低の結果となっている。
当初の計画では、Sledgehammerは2014年の『Advanced Warfare』の続編を作る予定だったが、そうではなくMWの新作が優先されたとのことだ。アクティビジョンはこのところ、MWや『Black Ops』シリーズ以外の『Call of Duty』作品は開発しない方針であることが明らかになりつつある。