大不評『CoD: MW3』、今年発売のPS5用での順位は195位(199本中)

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米ゲーム会社アクティビジョン・ブリザードは、マイクロソフトに買収される前の最後の「愚行」として、人気ゲームシリーズ『Call of Duty』(以下、CoD)の輝かしい功績を、前代未聞のやり方で汚してしまった。

関係者の話によると、アクティビジョンはCoDシリーズの新作として『Advanced Warfare』の続編を開発する案を却下し、傘下のSledgehammer Gamesに『Modern Warfare III』(以下、MW3)のシングルプレイ用キャンペーンをわずか1年4カ月の突貫工事でつくらせた。同作は当初、前年の『Modern Warfare II』の拡張パックとして想定されていたものだったが、最終的に価格が70ドル(日本では税込9800円)の完全新作として発売された。

MW3は、キャンペーンのレビュー解禁に続きマルチプレイも開始されたことで、各メディアによるレビューの点数が出そろった。その結果はというと、CoDシリーズ史上最低の得点となっている。しかも、ワースト2位に大差をつける低評価ぶりだ。

以下に、批評サイト「メタクリティック」における歴代CoDタイトルの総合スコアを、時系列順(上から新しい順)にまとめた。MW3がどれほど大差をつけられているかに注目してほしい。

・Modern Warfare III──53
・Modern Warfare II──75
・Vanguard──73
・Black Ops Cold War──76
・Modern Warfare──80
・Black Ops 4──83
・WWII──79
・Infinite Warfare──77
・Black Ops III──81
・Advanced Warfare──81
・Ghosts──78
・Black Ops II──81
・Modern Warfare 3──88
・Black Ops──87
・Modern Warfare 2──94
・World at War──84
・Modern Warfare──94
・Call of Duty 3──82
・Call of Duty 2──89
・Call of Duty──91

確かに、CoDシリーズのスコアはここ数年、低下傾向にあり、旧MW1とMW2の輝かしい時代には及んでいなかった。だが、新MW3のスコアは昨年のMW2より22点低く、それまでの最低だった『Vanguard』を20点下回った。2023年に発売されたPlayStation 5用ゲームにおける順位は199本中195位となっている。『QUANTUM ERROR』や、ひどいクオリティーだった『The Lord of the Rings: Gollum』は上回ったものの、『Redfall』(56点)や『FORSPOKEN』(64点)といった大失敗作をも下回った。

これは、マイクロソフトが重大に受け止めるべき事態だ。アクティビジョンは毎年、年末商戦に投入するだけのためにつくられたCoD新作を発売し、そのクオリティを徐々に悪化させてきた。マイクロソフトは今後、この常軌を逸したスケジュールから脱却し、CoDシリーズを立て直さなければならない。スコアが徐々に70点台へと下落していくのも良くないが、批評家のスコアが53点、一般ユーザーのスコアが10点満点中1.4点というのは犯罪レベルだ。アクティビジョン社内でこれにゴーサインを出した人物は、一刻も早く更迭されるべきだ。

CoDは言わば不死身のシリーズだが、今回の事態は、いずれ修正する必要がある重傷となった。新作を年1本リリースするというサイクルは止める必要がある。この事態の再発は許されない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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