北米

2023.11.22 14:00

米国の犬を襲う謎の呼吸器疾患、病原体や感染経路の特定急ぐ


病原体は何なのか、感染はどの程度、どのように広がっているのか、実態は分かっていない。ニューハンプシャー大学の獣医病理学者デービッド・ニードルはAP通信の取材に、この感染症について1年近く研究してきたと話している。また、ペンシルベニア州クランベリー郡区の獣医師マイク・ハッチンソンはCBSテレビに、症状はケンネルコフ(犬伝染性気管気管支炎)に似ているが、感染力が強く「誰もその正体を知らない」と語った。

コロラド州立大は、この感染症の詳細が判明するまで、他の犬と接触する機会のあるイベントへの参加は避けるよう飼い主に勧告している。

同大によれば、犬の呼吸器疾患は目やに、鼻汁、くしゃみ、寝てばかりで刺激しないと起きない(嗜眠)などの症状に加えて「進行性のせき」を伴う。最も一般的なのはケンネルコフで、米国獣医学会によるとドッグホテル、保護施設、ペット預かりサービスなどを通じて感染するが、大半は軽症で通常7〜10日で回復する。呼吸器疾患にかかった犬は抗生物質を投与しなくても自力で回復できることが多いが、重症の場合は酸素補給などの集中治療が必要になることもあるという。

米国内では最近、動物保護施設で犬の呼吸器疾患の報告が相次いだが、いずれも原因は特定されている。サンディエゴ動物愛護協会は、犬4匹が「重度の呼吸器疾患」で死んだことを明らかにしたが、これはレンサ球菌とマイコプラズマ菌に関連した感染症だった。ラスベガスの動物保護施設でも先月、レンサ球菌感染症が発生したとの報告があった。

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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