大阪駅前「うめきた」に産官学民の新たな共創拠点「JAM BASE」設立へ

起業家・経営者らが関西におけるビジネス価値を分析

続いて行われた第二部では、コングレ 武内紀子、さくらインターネット 田中邦裕、スマートバリュー 渋谷順、セーフィー 佐渡島隆平、favy 高梨巧、トータルメディア開発研究所 佐藤宏の6名が登壇。

はじめに、各社のJAM BASEへの入居理由と自社の活動をそれぞれが発表。続いて関西から起こすイノベーション、そして「うめきた」の魅力をテーマに、6名の経営者が意見を交わした。

さくらインターネットの田中は、「大阪駅は世界で三番目に乗降客が多い、交通の結節点です。かつ、これだけ大きな土地を都市公園として一体開発すること自体が重要な価値だと思っています」と語る。さらに、「日本が発展するためには社会資本への集中的な投資が重要です。東京は地域ごとに分散しているのに対して、今回は大学や起業家、不動産、社会資本、行政などがまとまって集中する場所になります。かつ京都にある世界遺産など、さまざまな要素とアクセスもしやすい。こんな場所は日本でもほとんどありません」と分析した。

スマートバリューの渋谷は、「関西の域内総生産はヨーロッパの一部の国のひとつ分ほどの大きさがあります。マーケットのポテンシャルを考えると、いまの関西はまさに大きなイノベーションを起こせるタイミングにあるでしょう」と語り、新しいまちづくりへの期待を膨らませる。



セーフィーの佐渡島は、関西一都心のスタートアップの資金調達需要はまだ約500億円ほどしか見出されていないことに言及。しかし関西のスタートアップや大学研究など、未だ投資されていない金の卵がたくさんあり、それを皆で一緒に育てていくことによりイノベーションが数多く生まれると期待していると語った。



その後、今回の登壇者が全員ステージにあがり、記者からの質問に答えた後発表会は終了。すべての登壇者が、JAM BASEに期待を寄せていること、そしてここから何かが生まれ、始まることを待ち望んでいることがわかった。

多様なコミュニティから人が集い、行き来する場に

今回のトークセッションで何度も繰り返された言葉が「産・官・学・民の連携」だ。7駅15路線が利用できるJR大阪駅直結であり、都市公園やホテル、住宅などの複合開発であるグラングリーン大阪は、多様なプレイヤーが集い、アイデアを形にし、社会実装・実現化へと繋げていくことを大いに期待される仕掛けが各所に施されているからだ。

2023年9月時点のイメージパースであり、今後変更となる可能性があります。(提供:グラングリーン大阪開発事業者)

2023年9月時点のイメージパースであり、今後変更となる可能性があります。(提供:グラングリーン大阪開発事業者)

4層吹き抜けの会員制交流スペースであるSyn-SALON(シンサロン)、家具付きのスモールオフィスJAM-STUDIO(ジャムスタジオ)、コワークスペースJAM-DESK(ジャムデスク)などがあるが、建物内はあえて機能を集約せず、『ごちゃごちゃ』に配置されている。視線や動線が交差し、刺激や交流につながっていくことを想定した仕掛けになっているのだ。

さらに全体を見れば広大な都市公園があり緑が多く、一般の人が行き来する空間も備えている。企業、アカデミア、住民などが交流することを想定した、これまでにない、世界にアピールできる環境であると言えるだろう。

都市開発から始まり、文化や知恵、アイデアが結集する場となるであろうグラングリーン大阪。大阪発、産・官・学・民の連携により始まるイノベーションに期待したい。

文=石澤理香子 写真=山口真一

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