「共創」が鍵となるイノベーティブなコンセプト
グラングリーン大阪とは、「うめきた2期地区開発プロジェクト」を通して新しく生まれた大規模な複合開発エリアの総称だ。9月28日、グラングリーン大阪 中核機能施設記者発表会が行われ、名称となる「JAM BASE」のロゴやコンセプト、パースなどが発表された。
「JAM BASE」のネーミングは、「共創」のジャム、「基地」のベースのふたつの意味から成る。「JAM」には、音楽の即興演奏を「ジャミング」と表すことから、中核機能施設で巻き起こる共創=コ・クリエーションが、音楽を作るかのように楽しくエキサイティングなものとなるように。「BASE」には、この場所で働き訪れるグローバル、ローカル、全ての人々にとって何度でも訪れ、いつでも帰って来られるような親しみのある基地となるよう、思いが込められているという。
プロジェクトの主催者であるオリックス不動産の佐々木一洋は、「JAM BASEが中心となってこの場所に多様なプレイヤーが集い、アイデアを形にし、それを社会実装へとつなげていく。その挑戦を我々は支援してまいります」と説明。大阪府市・関西経済界とともに設立したイノベーション支援組織『うめきた未来イノベーション機構 U-FINO』とともに、産官学民連携を推進していくと語った。
アカデミアの横のつながりにも期待
すでにいくつかの企業やアカデミアが、JAM BASEへの参画に手を挙げている。最初のトークセッションは、大阪大学と立命館大学から5名が参加し、大学がグラングリーン大阪に拠点を持つ意義について語られた。大阪大学 研究担当理事・副学長の尾上孝雄は、大阪大学がJAM BASEにもつ拠点の名称を紹介。大阪大学 大学院 基礎工学研究科教授の石黒浩はアバターの実証実験、大阪大学 産業科学研究所教授の八木康史はパーソナルデータの活用、脳情報通信融合研究センター 副研究センター長の田口隆久は脳情報融合型のAIの作成に取り組み、うめきたに集まる企業とともに社会実装のあり方を探っていきたいと答えた。
立命館大学 研究・イノベーション推進担当副学長の徳田昭雄は、ソーシャルアントレプレナーやイノベーション創発性人材を育成するプラットフォームを学外へも解放し、社会共生価値を実現していくことなどを発表。セッションでは、それぞれの領域が今後コラボレーションし、アカデミア同士の横のつながりも今後盛り上がっていくことが示唆された。
石黒はこの大阪「うめきた」の地が実証実験にとって最適な場所だと思っていること、そして人のつながりが強い地域性などを挙げつつ、「面白いことを応援してもらえる雰囲気が強い。さまざまな人と連携しながら新しいことを始められるといいなと思っております」と述べ、第一部のトークセッションは終了した。