食&酒

2023.11.10 11:00

高級レストランではメニューを熟読せよ。店が「一流の客だ」と唸る52のマナー

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13.食前酒はシャンパーニュが無難

着席して人心地ついた頃にソムリエが登場し、「お食事前にグラスのシャンパーニュはいかがでしょう?」と聞いてくるはずです。これには「お願いします」と答えるだけで満点。これ以上言うことはありません。

「ワインリストを見せてください」もいいですね。客のワイン選びに積極性が感じられ、ソムリエの気合が入る瞬間です。なに、難しいことはありません。後はふむふむと適当に頷きながら、最も安いシャンパーニュを注文すれば良いだけです(大体昇順でソートされています)。グラスのシャンパーニュは割高な店が多いので、泡が好きでそれなりの量を飲みたい方はボトルで注文してしまうのも一案です。

女性は「あたしはベリーニを」と、変化球を投げ込むのも良いかもしれません。ホストとソムリエに対し、あたくしちょっと知ってますのよアピールです。ただし食前酒に適したカクテルは限られている点に注意。オススメはベリーニ(白桃+シャンパーニュ)やミモザ(オレンジ+シャンパーニュ)、キール・ロワイヤル(カシス+シャンパーニュ)あたりです。

14.ナプキンは2つ折りにしてループを手前にして膝に置け

食前酒の注文が済んだらナプキンを膝に置きましょう。間違っても首もとに下げてはいけません。それは焼肉屋のエプロンです。

ナプキンは2つ折りにしてループを手前にして膝に置きます。理由はナプキンで口元を拭う際に、折った内側の面で唇にタッチし、汚れた部分が外に見えないようにするためです。

女性がナプキンを膝にかけた後に、男性も膝におきます。ここにおいてもレディ・ファーストを厳守する必要があります。ある意味女性にはリードする義務があるので頑張って下さい。

15.飲み物を注がれる時はグラスに触れるな

ニッポンのサラリーマン社会で育った貴方はついグラスを持ちたくなるかもしれませんが、フランス料理においてはグラスに触れてはなりません。というか、ただでさえ持ち手が定まらないワイングラスを持たれてしまっては注ぐほうも大変です。

16.乾杯時にグラスを合わせるな

乾杯の際にグラスを合わせてカチンと鳴らしてはなりません。高級レストランにおいてはグラスも高級かつ繊細であり、割れてしまう恐れがあります。後述の「音を立てるな」にも通じる論点です。グラスを軽く持ち上げて目線を合わせ、軽く微笑む程度で充分です。

17.メニューを熟読せよ

コース料理の場合、値段にしか興味がなくメニューをロクに読み込まない方が多いですが、サボらずじっくり読み込むようにしましょう。後のワイン選びのヒントになりますし、何より「値段だけじゃなく食材や調理に興味がありますよ」というアピールに繋がります。

アラカルトの場合はメインから選びます。メインを肉に決めたら前菜は魚介や野菜とするのが無難。メインを魚にした場合の前菜は肉や野菜です。アラカルトのポーションはコースの皿の倍近くあり、また、注文していない小皿もチョコチョコ出ることが多いので、普通は前菜1皿、メイン1皿で充分でしょう。基本的には食べたいものを注文すれば良いのですが、同伴者と同じものを注文したほうが会話も弾み記憶にも残り、話題として振り返り易いと言われています。

本場フランスではこのメニュー選びの瞬間に最も労力を注いでいるように見え、20~30分かけるなど当たり前です。その際に手ぶらだと間が持たないので、食前酒が重要な役割を担うことになるのです。「メニュー選びの最中にシャンパーニュが1本空いてしまった」のような客は超カッコイイです。



筆者=タケマシュラン。レストラン紹介メディア「タケマシュラン」運営。日本ソムリエ協会ワインエキスパート、SAKE DIPLOMA。C.P.A.認定チーズプロフェッショナル。

文=タケマシュラン 編集=石井節子

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