AI利用の基本理念が新機能にも活きる
Google Pixelシリーズが、昨今若年層を中心にユーザーを増やしている。カメラのハードウェア的な性能よりも、入門者にも親しみやすい視点から「AIで写真を遊べるソフトウェア」の魅力を中心に据えた戦略が的を射ているのだろう。ベストテイクや編集マジックは楽しい機能だが、AIによる画像生成の技術を悪用したディープフェイクへの対策は採っているのだろうか。グーグルが日本のメディア向けに開催した製品説明会では、Google Pixel製品管理担当シニアディレクターであるピーター・プルナスキー氏が、記者から寄せられた質問に対して次のように答えている。
「Pixelシリーズのフォトアプリによる編集にはメタデータを付与する機能が含まれる。編集マジックにより加工した写真にもメタデータが反映されるので、AIにより生成されたデータであることに見分けがつくことができると考える。グーグルのAI体験はサードパティーのデベロッパにも詳細なガイドラインを公開している。そのルールはグーグルが公開するAI利用の基本理念のガイドラインに従ったものだ。グーグルはユーザーから信頼を獲得することに全力尽くしながら、新しいAI機能もすべてAIの基本理念に従ってつくられている」
生成AIは関連する技術やサービスを提供する企業が、その悪用を未然に防ぐための仕組みを整えることが何より大事だ。同時にAIを使って「写真を遊ぶ」機能が高度化するほど、ユーザーが他者の権利やプライバシーを悪意なく、遊び心で侵害してしまうケースにも目を光らせる必要がある。グーグルはメタデータの対策により、どこまで現実に即したソリューションを提供できるのか注目だ。