AIによる自動音声処理も高機能に
Pixel 8シリーズではAIによる自動音声処理の機能が充実している。「音声消しゴムマジック」は、Pixel 8シリーズのカメラで撮影した動画に含まれる音声を分離・分類。例えば人の声だけを強調して背景のノイズを消したり、反対に観光地で撮影したストリートミュージシャンの演奏に寄って、人物の話し声を目立たなくするといった後処理による音声編集がスマホ上で行える。
「レコーダー」アプリの文字起こし機能が強化される。現在はレコーダーの起動後に、文字に書き起こしたい言語を手動で選んでいる。レコーダーアプリの設定から「音声文字変換」を特定の言語ではなく「言語の検出」にセットしておけば、Pixel 8シリーズは自動で発話されている言語を認識して、英語や日本語などレコーダーが対応する言語を自動で書き起こしてくれる。
グーグルが米国で開催した発表会では年末以降に予定するFeature Dropによる追加機能として、レコーダーアプリが起こしたテキストを「要約」までしてくれる機能が言及された。長い会議の要点だけ把握したい時にとても役立つと思う。日本語対応まではしばらく待つ必要がありそうだが、まずは英語からでもすぐに使いたい。
発売後7年間のアップデートを保証
Pixel 8シリーズにはAndroid OSの更新対応、セキュリティアップデート、定期的な新機能のアップグレードよる追加などユーザー向けの特典が7年間に渡って提供される。例えば本体に使う主要なパーツを再生可能な素材に置き換える取り組みも大事だが、何よりユーザーが1つのスマホを長く使い続けることが、未来の生活環境に優しいインパクトを与える。ハードウェアよりもソフトウェア、広告事業が経営戦略の要であるも言われるグーグルらしい思い切った戦略だ。プレミアムクラスのスマホの価格が上昇を続けている今だからこそ、多くの人々に注目されることは間違いない。アップデートを繰り返して、進化を続けるAIデバイスはいつかスマホを超える利便性を獲得するかもしれない。その時まで「長く楽しめるデバイス」として、最新のハイエンドモデルであるPixel 8シリーズを今から手に入れる選択は間違っていない。アップルのiPhone 15ファミリーにとっては、手ごわいライバルが出現した。
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