充電中のiPhoneを活用する「スタンバイ」機能
iOS 17ではiPhoneを横向きにして充電ケーブルに接続、スタンドなどに固定して充電を開始すると新しい「スタンバイ」モードに切り替わる。スタンバイモードの画面には任意のウィジェットが置ける。例えばiPhoneをベッドサイドやキッチンに置けば、充電しながら時計やタイマーとして使える。ミュージックアプリのウィジェットもあり、iPhoneの内蔵スピーカーで音楽再生が楽しみやすくなった。スタンバイモード時もSiriに話しかけると、音声で天気予報を聞いたりタイマーやアラームなどさまざまな機能が使える。
![iOS 17の新機能「スタンバイ」対応するウィジェットを任意に配置できる。ディスプレイの常時表示に対応するiPhone 15 Pro/iPhone 14 Proシリーズとの相性が特に良い](https://images.forbesjapan.com/media/article/66550/images/editor/bc2b3cec153e5699489b0d417b6b1fb4d1f0a1cc.jpg?w=1200)
「スタンバイのユーザー体験を、誰にでも直感的に使えるようにするべきと考えた」というダイ氏。外部のデベロッパもスタンバイに対応するウィジェットをつくってユーザーに提供できる。体験を一貫性のあるデザインの中に収められるよう、WidgetKitフレームワークにガイドラインを定めている。ホーム画面用のウィジェットはスタンバイモードに合わせてシンプルに最適化できる。今後は充電中にiPhoneが活躍する機会が増えそうだ。
6月にアップルが世界開発者会議WWDCで発表した空間コンピュータ「Apple Vision Pro」の発売が2024年に控えている。本機にもApple WatchやAirPods Maxが搭載するDigital Crownがユーザーインターフェースとして採用された。またハンドジェスチャーによる画面操作は、2023年モデルのApple Watchが対応する新機能「ダブルタップ」と体験の親和性があるようにも見える。
「私たちヒューマンインターフェースデザインのチームが担う大きな役割の1つは、プラットフォームを作ることです。これからも一貫性のあるシームレスな体験をすべてのユーザーに届けたいと考えています」(ダイ氏)
アップルには同社単独で、ハードウェアとソフトウェアによる一体の価値をデザインしてユーザーの手もとに届けられる底力がある。加えてアップルにとって大事なパートナーである外部デベロッパとの連係についても、タクトを振るヒューマンインターフェースデザインチームの丁寧な仕事がユーザー体験の基盤となっている。
連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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