そして、この業界のことを熟知しているのが、英マスター・オブ・ワイン協会が認定する資格「マスター・オブ・ワイン」をインドで初めて取得したソナル・C・ホランドだ。ソナルはインドでソナル・ホランド・ワイン・アカデミーというワインアカデミーを設立し、成功を収めている。
「インドで初、かつ唯一のマスター・オブ・ワインになったことで、ワインと国際的なワイン市場に関する知識や理解を生かして、世界の標準に沿った事業をインドで立ち上げる機会を得た。世界第3位のアルコール飲料市場であるインドで、そして世界で最も急成長しているこの国のワイン業界で、先駆的な仕事をたくさんしてきたことに感激している」とソナルは語った。
ソナルはソーシャルメディアでもワイン通として知られている。さまざまなソーシャルメディアプラットフォームでのフォロワーは計50万人だ。ソナルはソーシャルメディアでワインをわかりやすく説明し、インドの消費者にワイン文化やエチケットを紹介することで、ワインをより親しみやすいものにしている。加えて、ソーホーワイン・コンサルティングという会社を経営している。同社はワインメーカーがインドに進出して確固たる足場を築くのを支援しつつ、インドの消費者に世界のワイン文化を楽しむ機会を提供している。
インドに輸入されるワイン
ワインの消費が増え、またワインに関する知識が浸透するのにともない、インドではワインの輸入も増加している。これには、アルコールの輸入に対する物品税が2021年に300%から150%へと半分に引き下げられたことが部分的に寄与している。オーストラリアのように、インドと経済協力・貿易協定を結んでいる国もあり、協定ではワインの輸入税が150%から75%へと大幅に引き下げられ、これによりワインがお手頃価格になっている。ソナルによると、インドへのワイン輸出が多い上位4カ国はオーストラリア、チリ、イタリアそしてフランスだ。「しかし米国など他の国々のワインは、競争力のある価格戦略や、インドの消費者にブランドを知ってもらい、ファンになってもらうための体験型のマーケティングの取り組みにより、今後数年で人気を集める可能性が高い」とソナルは指摘する。