NASAの「アルテミス3」は、人類を再び月面へ戻すことを目指し、他の宇宙機関は、火星や水星などへのミッションを計画しています。
世界経済フォーラムのブリーフィングペーパー「宇宙技術が地球上の生活に恩恵をもたらす6つの方法(Six Was Space Technologies Benefit Life on Earth)」によると、宇宙での科学研究は、健康科学、材料科学、ロボット工学、その他の技術への理解の新境地を開拓する手助けをしています。本題についてWEFのアジェンダからご紹介します。
「私たちは皆、月とその先を目指すことができる」
8月にインドの無人月面探査機が月の南極に歴史的な着陸を果たした後に、同国のナレンドラ・モディ首相が語ったこの言葉は、今、現実のものになりつつあります。
月およびその他の宇宙空間への到達を目指す勢いが世界中で高まっており、2020年代には多くの宇宙ミッションが計画されています。
日本は、インドの後を追うように、月面着陸を目指す探査機「SLIM」を搭載した「H2A」ロケットを9月初旬に打ち上げました。インドのチャンドラヤーン3号が将来の月探査を支える可能性のある水氷の発見を目指しているのに対し、日本のSLIMは、降りたい場所をピンポイントで狙って精度100メートル以下で降下することができる特徴を生かして、月への「高精度着陸」が可能であることを証明しようとしています。
増加する宇宙開発への支出
宇宙財団によると、各国政府は、2022年に宇宙開発への支出を90億ドル増加させています。これは、国防費の45%を占めるようになったことを意味し、1年前の41%から増加しています。そして、宇宙探査は国だけのものではなく、企業による宇宙プログラム開発も勢いを増しています。こうした流れは、宇宙探査の可能性を広げ、地球が直面している最大の課題のいくつかに取り組む手助けになるかもしれません。
「地球を周回する人工衛星は、最も正確な気象情報を提供し、迫る暴風雨を警告します。毎日気候を観測することで、気候変動の進行速度とその影響を追跡する助けとなります」と、世界経済フォーラムのブリーフィングペーパー「宇宙技術が地球上の生活に恩恵をもたらす6つの方法(Six Was Space Technologies Benefit Life on Earth)」では述べられています。「軌道上で行われる科学研究は、健康科学、材料科学、ロボット工学、その他の技術への理解の新境地を開拓する手助けをしています。」
本稿では、2020年代に計画されている最も重要な宇宙ミッションのいくつかを紹介します。