宇宙

2023.10.05 08:30

月や火星、水星へ いま注目の宇宙ミッション7選

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ベピコロンボ:水星へ向かう

水星は太陽系で最も小さい惑星であり、太陽系の中では最も探査が進んでいません。2018年に打ち上げられたESAの「ベピコロンボ」は、一連の惑星スイングバイを経て2025年に水星周回軌道へ投入される予定です。
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ベピコロンボは、水星周回軌道に入る史上2番目のミッションです。太陽に最も近い惑星でその表面は最高430℃にも達する水星に、磁場があるのか、なぜ極地のクレーターに氷があるのかなどについて調査をします。

「水星は、他の恒星を周回する太陽系外惑星を研究する科学者にとって、特に興味深い存在だ」と、NGOの惑星協会は述べています。「何千もの既知の太陽系外惑星が、恒星に極めて近い軌道を周回しています。私たちの裏庭にあるとも表現できる水星を研究することで、これらの軌道が近接している惑星がどのようなものかをより理解することができるでしょう。」

中国の嫦娥6号:月の岩石サンプルを採取する

2024年5月に打ち上げが予定されている中国の月面探査機「嫦娥6号(Chang’e-6)」は、4つの宇宙船で構成されており、このミッションは、月の裏側の南半球のアポロ盆地として知られる地域の岩石サンプルを採取することを目的としています。

この盆地は、幅538kmのクレーターで、玄武岩質の溶岩が月面の窪みに流れ込んで形成される「(月面の)海」に覆われていると考えられています。

嫦娥6号は、月の歴史をより詳しく知ることを目的とし、2kg泥やその他サンプルが採取される予定です。2026年と2028年には、嫦娥7号と8号のミッションを計画している中国は、2030年までに月面に宇宙飛行士を送り込みたいとしています。

NASAのドラゴンフライとダヴィンチ:土星と金星への旅

NASAの「ドラゴンフライ」は、2026年に打ち上げられ、2034年に土星圏に到着します。このミッションは、2年をかけて地表のサンプルを採取し、ハビタビリティ(居住可能性)を調査します。
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ドラゴンフライは、土星に向かう途中で金星を通過しますが、2029年に打ち上げが予定されている金星探査ミッション「ダヴィンチ」は、太陽系で地球に最も近い金星にまっすぐ向かいます。

このミッションの目的は、金星の大気の起源と進化を解明し、そして金星と地球や火星の違いやその理由をより良く理解すること。また、金星にかつて海があったのかを探り、火山活動のレベルも調査します。

(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)

連載:世界が直面する課題の解決方法
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文=Ian Shine, Senior Writer, Forum Agenda

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