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2023.10.02 12:00

新興国市場で注目の中国製スマホ「Infinix」がEコマースに注力する理由

インフィニックス チーフ・マーケティング・オフィサーのレイク・フー

インフィニックス チーフ・マーケティング・オフィサーのレイク・フー

中国のスマートフォンブランドInfinix(インフィニックス)は、過去10年近くに渡りナイジェリアやインドネシア、イラク、フィリピンといった新興国市場での販売に注力してきた。特にアフリカ大陸では信頼度の高いブランドとして認知されており、スマホ市場で常に上位2~3位のシェアを獲得してきた。

しかし、同社は今年に入り新たな市場への参入を目指し、テック系メディアへのアピールを強化している。同社は先週、ベネチアで豪華なイベントを開催し、新モデル「Zero 30」を発表した。

もう1つの中国ブランドであるTecnoも昨年、同じような取り組みを行っている。実は、InfinixとTecnoは兄弟ブランドで、いずれもTranssion(伝音科技)の傘下にある。しかし、Tecnoがハイエンド市場に参入したのに対し、Infinixは手頃な価格のモデルへの注力を継続している。同社が先週発表した新モデルの価格は約330ドルだ。

Infinixのチーフ・マーケティング・オフィサーのレイク・フーは、若者に手頃な価格のスマホを販売する最良のチャンネルはEコマースだと考えている。

フーは、同社に入社する前、東南アジアで人気のECモールLazada(ラザダ)のモバイル・プラットフォームを率いていた。当時、彼は中国のスマホブランドRealme(リアルミー)の東南アジア市場参入や、サムスンの格安スマホブランドMシリーズの立ち上げを支援し、それ以前は、Xiaomi(シャオミ)でRedmiのサブブランドを担当し、東南アジアでの成長に貢献した。

フーは、これまでの成功体験をInfinixで再現しようとしている。彼によると、Infinixは若いユーザー向けの機能を搭載したスマホの開発に注力しているといい、ベネチアでは自撮り機能を特化したユーチューバー向けのスマホや、高画質ディスプレイが特徴のゲーミングスマホを発表した。

「エントリーレベルやミドルレンジの端末は機能を絞り込む必要がある。私の戦略は、若い消費者がどのような機能を求めているかを見極め、不要な機能を省くことで魅力的な価格にすることだ」とフーは話す。
「GT 10 Pro」

「GT 10 Pro」

彼は、その一例にゲーミングスマホ「GT 10 Pro」を挙げる。この端末は、ゲームに適したフラットディスプレイパネルと360Hzのレスポンスレートを備え、ゲーム体験を向上させている。彼によると、前面カメラの機能を「そこそこ」に抑えることで240ドルという魅力的な価格を実現したのは正しい判断だったという。実際、GT 10 Proはリリース初日に完売した。

一方、ローンチしたばかりのZero 30は自撮り機能を強化しており、4K/60fpsで動画を撮影することができる。
「Zero 30」

「Zero 30」

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編集=上田裕資

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