全米動物病院協会(AAHA)は、ワクチン接種を「犬の予防医療の要」と位置づけている。ペットを新たに迎える飼い主は、まず次の点を考慮しなければならない。
1. 病気の予防
ワクチンは、犬を命にかかわったり重症化したりする感染症から守るためにある。一般的な犬用ワクチンで、狂犬病、パルボウイルス感染症、ジステンパーウイルス感染症、犬アデノウイルス感染症、レプトスピラ症などさまざまな病気を予防できる。これらの感染症は急速に流行し、ワクチン未接種の犬は苦しんみながら死ぬことになってしまう。2. 集団免疫
ワクチン接種は個々の犬を守るだけでなく、犬たちの集団免疫に貢献する。ワクチン接種済みの犬が多ければ感染症の拡大を抑制でき、ワクチン未接種の犬や病気に弱い犬を守ることもできる。3. 公衆衛生
犬がかかる病気は、人間にうつることもある(人獣共通感染症)。たとえば、狂犬病は人獣共通感染症であり、犬と人間の双方に深刻な脅威となっている。犬に狂犬病ワクチンを接種すれば、人への感染リスクを減らして公衆衛生の維持につながる。4. 法的要件
多くの地域に、狂犬病など特定の病気に対するワクチン接種を犬の飼い主に義務付ける法律がある。違反した場合、罰金などの法的措置の対象となり得る。5. 病気の流行を防ぐ
地域内におけるワクチン接種率が低下すると、感染症の集団発生を引き起こす恐れがある。感染症が流行すると対応費用がかさむだけでなく、動物たちを苦しめ、他のペットや人間を危険にさらすことになる。ワクチン接種はペットを飼う人が守るべき重要な責任であり、他の動物や人間への病気の蔓延を防ぐ効果がある。ペットのワクチン接種率低下に対処するには、教育と普及活動が不可欠だ。獣医師、ペット団体、政府機関は、ワクチン接種の大切さをアピールし、正確な情報を提供し、飼い主にとってワクチンが身近な存在になるよう努めている。飼い主は、家族とペットを守るために細心の注意を払わなければならない。
(forbes.com 原文)