価格を変えず商品を小さくする「シュリンクフレーション」の正しい理解と効果

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パンデミック後の経済の現実について、さまざまな記事を目にし、またプレッシャーを感じていることだろう。かつての輝かしい利益率を取り戻そうとして、多くの企業が創造力を働かせているが、そのなかで注目されているのが「商品のサイズ」だ。

サイズを小さくすることは、コスト効率に優れ、タイムリーで即効性のある手段となり得るが、その一方で、顧客にただちに影響を与える変更でもある。品質とブランドの信頼性を守りながら、この経済状況を乗り切るためのより良い方法を目指すべきだ。

1. 販売データを見直し、効率化の機会を見つける

効率を高める機会を探るとき、ガイドになるのがデータだ。まずは、販売パターンのデータセット全体を見渡して、ベースラインを確定しよう。次に、より最近のデータを掘り下げて、現在の購買行動を推定しよう。

個々の顧客の購買習慣を分析できるロイヤルティプログラムを実施していれば、そこから、購買頻度と商品サイズのデータを抽出できる。商品サイズごとの購買パターンを割り出し、何がいつ、最も好まれているかを特定する。そうすることで、例えば商品オプションを減らすなど、データを分析しなければ見逃していた機会を発見することができる。

例えば、20包入りの箱でお茶を販売しているが、一番人気のあるオプションは40包入りだとしよう。頻繁に箱を買いたくないという客が多いのかもしれないが、自社のビジネスにかかるコストはどうだろうか。

製造コスト、ラベリングの変更、棚スペースの確保など、思った以上のコストがかかっているかもしれない。一方で、店舗データから、顧客にとって最もお得なセールやクーポンが、20包入りの箱に適用されていることが判明するかもしれない。こうしたことを検討した結果、40包入りをなくすことで、量や質を犠牲にすることなく、製造効率を上げることができるかもしれない。

2. 商品ライフサイクルを分析して、サイズの重要度を判断する

ここでスプレッドシートを閉じてはいけない。顧客の購買習慣には、まだ発掘すべきインサイトが眠っている。購入頻度から商品構成を探った後は、個々の商品サイズについて掘り下げる番だ。

商品サイズを変えて価格を変えないことを「シュリンクフレーション」と呼ぶが、これは至るところで行われている。缶入り炭酸水は、1ケースが12本から8本になり、1本の内容量が16オンス(約473ml)から12オンス(約355ml)になるといった具合だ。しかし、商品サイズの縮小がすべて、顧客に同じ影響を与えるわけではない。カテゴリーによっては、商品サイズの変更が歓迎されることもある。
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