2000年、NASAの木星探査機ガリレオが、表面の氷の下に海がある証拠を初めて発見した。
ウェッブ望遠鏡が捉えた、木星の衛星エウロパの二酸化炭素(CO2)分布。一番左は近赤外カメラNIRCamで撮影、2番目以降は近赤外分光器NIRSpecによる合成画像。白色の画素がタラ地域のCO2を示している(NASA, ESA, CSA, G. Villanueva (NASA/GSFC), S. Trumbo (Cornell Univ.), A. Pagan (STScI))
2つの最新エウロパ探査ミッション
NASAや他の宇宙機関が科学推進のために探査機を送り込む必要のある場所について、宇宙生物学者の希望リストのトップに挙げられるのが、エウロパだ。2022年には、NASAの木星探査機ジュノーがわずか約352km上空から写真を撮影した。現在、欧州宇宙機関(ESA)の木星氷衛星探査計画「JUICE(JUpiter ICy moons Explorer)」の探査機が木星に向かっており、2031年7月から、木星を67回周回し、エウロパ、カリスト、ガニメデを接近観測する予定だ。
JUICEは、エウロパへの接近通過(フライバイ)は2回しか実施しない予定。その主な理由は、より高速なNASAの探査機エウロパ・クリッパーが(打ち上げは2024年10月の予定にもかかわらず)1年早く到着し、エウロパを32回フライバイする予定だからだ。
次はエンケラドゥス
太陽系内で地球以外に生命が存在する可能性が高い場所の観点から見て、エウロパとほぼ差がないのが、土星の衛星エンケラドゥスだ。はるかに小型のこの衛星は、宇宙生物学者らと今やNASAの間で支持を得つつある。エンケラドゥスもエウロパと同様に、氷に覆われた表面の下に温暖な塩水の海があり、プルーム(間欠泉)から液体が宇宙空間に噴出している。NASAの探査機オービランダー(OrbiLander)が(暫定的に2038年10月打ち上げ、2050年到着予定)エンケラドゥスを6カ月間周回してプルームのサンプルを収集した後、着陸探査を実施してより大量のサンプルを採取し、現場で分析する予定だ。
(forbes.com 原文)