人工知能が急速に変えつつある医用画像の世界

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現代の医療提供を可能にする最も強力なツールの1つが、高度な画像技術だ。これらのツールは、しばしば検査結果を確認するため、内部の解剖学的構造を視覚化するため、または主観的な症状と併せて病気を多角的に特定するために使用される。

最近の「Healthcare」に掲載された研究によれば、過去10年でCT(コンピュータ断層撮影)と超音波検査の実施率はほぼ倍増している。これは、医療提供における画像診断の利用が増加傾向にあることを示している。多くの要因が考えられるが、特に医用画像診断技術の高度化が進んでいるため、医療従事者はこれらのツールを用いて、問題を正確に特定し、迅速に治療に取り掛かることができる。したがって、これらのツールをインテリジェントで使いやすく、より使いやすいものにするために多額の投資が行われ、関心も高まっている。

この動きに対して、多くの組織が迅速に対応している。先週、ヘルスケア分野で著名な機器ならびにサービス大手のGE(ゼネラル・エレクトリック)は、AI支援超音波技術の開発のためにビル&メリンダ・ゲイツ財団から4400万ドルの助成金を授与されと発表した。プレスリリースでは、この動きの背後にある主な目標の1つが、中低所得国における医療成果と医療アクセスを改善することを念頭に、臨床医がさまざまな医療スクリーニング技術をよりよくサポートできるように、より使いやすいインターフェイスを作成することであると述べられている。

GEヘルスケアの超音波部門の社長でCEOのローランド・ロットによれば、超音波技術は確かに現場でのスクリーニングや診断に強力なツールであるが「大きな制限として、スキルの低いユーザーが、診療現場での超音波を効果的に手頃な価格で活用するためのガイダンスが不足している」と説明する。この助成金は、このギャップを埋め、より良い画像と診断情報をこの装置で撮影できるようにユーザーをガイドすることが期待されている。

画像技術を向上させようとするこのは、さまざまな診断方法を横断して広がりつつある。
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翻訳=酒匂寛

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