生成AIの技術開発に「積極的投資」
発表会の壇上に立ったリンプ氏は、アマゾンにはさまざまなタイプのAIを長年に渡り独自に研究開発してきた豊かな経験があるとしながら、Alexaによる新しい体験については次のようにコメントした。「Alexaはスマートホームの最前線で音声操作が使いやすいAIを目指してきた。生成AIの技術を組み込む段階では、ユーザーの好みを理解して自然に会話を交わせることがより大事になる。今回は私たちがイメージしてきた新世代のAlexaをようやく見せることができた」
発表会に参加した日本人記者によるグループ会見には、アマゾンデバイスインターナショナルのバイスプレジデントであるエリック・サーニオ氏が出席して質問に答えた。
アマゾンデバイスインターナショナルのバイスプレジデント、エリック・サーニオ氏
今回アマゾンが発表した肝いりの「賢いAlexa」がいつ日本にやってくるのか、多くの記者がサーニオ氏に質問をぶつけた。今後、アマゾンのデバイスやサービスに「米国先行」で導入されるものが増えて、日本を含む世界各地域で開始されるまでに時間が空いてしまうと、多くのユーザーに失望感を抱かせる懸念はないのだろうか。
「アマゾンが目指すゴールは、すべてのユーザーに同じ内容と品質のサービスを活用してもらうことだ。私たちの生成AIおよび大規模言語モデルに関わるテクノロジーの進化は、当初の想定を超えて加速している。私たちはAlexa Teacher Modelという、1つの言語で実現したAlexaサービスのスキルをすみやかに他の言語に変換できる機械学習モデルを確立した。以前はそれぞれの地域で行ってきたローカライゼーションにかかる時間が大幅に短縮できる。今後もAlexaをより会話力に富んだ便利なAIに育てていきたい。日本のユーザーのみなさんにも、今回のアマゾンによる発表を『自分ごと』として受けとめてもらえるはずだ」
アマゾンがアーリントンに新しい拠点を構えた理由は「移転」ではなく、会社の「規模拡大」に対応するためであるという。サーニオ氏は、生成AIに関わる研究開発には「金がかかる」ことは承知の上で、良い成果を獲得するため積極的に投資すると意気込みを語った。
連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
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