また、中国の景気刺激策が効きにくくなってきていることも問題だ。簡単に言えば、中国は過去30年、大規模なインフラブームにあまりにも頻繁に頼りすぎた。薬やステロイド剤の場合と同じように、景気のてこ入れで同じ手を繰り返してきた結果、患者を安定化させられるほどの効果が出なくなっているのだ。融資平台のものを含め中国の債務は、世界にとってもむしろ逆風になりつつある。
さらに、人口動態のひずみも顕著になっている。中国でも高齢化が進むにつれて、国民を脅かすデフレ圧力がさらに根づいていくおそれがある。共産党政権は、家計が貯蓄を減らして支出を増やすのを後押しするような、社会的なセーフティーネット(安全網)の拡大が遅れている。
こうしたもろもろが重なり合って、2023年は習近平指導部にとって嫌な年になるに違いない。中国は向こう1年、基本的には世界経済の牽引(けんいん)役から外れることにもなるだろう。
中国の不調が続くなか、日本の成長も鈍化し、欧州の景気も足踏みしている。米国はリセッションこそ避けられるかもしれないが、連邦準備制度理事会(FRB)による1年5カ月にわたる金融引き締めの影響に苦しんでいる。
中国経済が崩壊しようがしまいが、中国の成長が緩やかなものにシフトダウンすることは、国内での習近平の地位にとっても、そして世界経済にとっても、歓迎できないニュースだということだ。
(forbes.com 原文)