『Starfield』は「ベセスダ史上最大のローンチ」に ただその真の意義は不明

安井克至

Miguel Lagoa / Shutterstock.com

ベセスダ・ソフトワークスの新作RPG『Starfield(スターフィールド)』がヒット作となったことは間違いない。批評家からも、プレイヤーからも高い評価を得ている。『サイバーパンク2077』のように発売時に不具合が多発することも、ベセスダがそれまでの作品から大幅に逸脱した『Fallout 76』のようにリリース時につまずくこともなかった。

マイクロソフトは、『Starfield』でようやく手にした勝利を祝っている。まず、Xbox版・PC版合わせた同時プレイヤー数が100万人に達したと発表。その直後には、累計プレイヤー数が600万人を超え「ベセスダ史上最大のローンチ」となったことを明らかにした。

『Fallout 4』が発売日にこれを上回る1200万本を出荷していたことを考えると腑に落ちないが、『Fallout 4』の数字は「販売」ではなく「出荷」本数だったということなのだろう。また、『Fallout 4』を購入した人のうち、半分以上が何らかの事情ですぐにプレイできなかったとも考えられる。『Starfield』の600万人というプレイヤー数は、1日のアーリーアクセス開始から現在までのもので、これが過去最多を記録したとのことだ。

これは、非常に多いプレイヤー数だ。ただし、これを額面通りに受け取ってはいけない。というのも、現在のXboxはサブスクリプションサービスの「Game Pass」に依存しているため、こうした数字を意味あるかたちで公表できなくなっているのだ。

Game Pass加入者数が最後に公表されたのは2022年1月。その数は2500万人で、新型コロナウイルスの流行による大幅な増加分を含むものだった。一方、『Starfield』のプレイヤー600万人には以下の人々が含まれており、その内訳を知るすべはない。

・すでにGame Passに加入していた人
・『Starfield』のためにGame Passに加入した人
・Xbox用ソフトを購入した人
・PC用ソフトをSteamで購入した人
・DLCとアーリーアクセスを含む特別版に追加料金を支払った人
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翻訳・編集=遠藤宗生

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