『Starfield』は「ベセスダ史上最大のローンチ」に ただその真の意義は不明

安井克至
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新作ソフトを発売と同時にGame Passでも提供するようになった今、マイクロソフトは販売本数よりも「エンゲージメント」に重きを置いていると強調している。つまり、プレイヤーにいかにしてGame Pass利用を継続してもらうかが重要なのだ。『Starfield』はライブサービス型のゲームではないが、50~500時間にわたりやり込めるゲームであり、Game Passの会員引き留めに貢献するかもしれない。

ただそれでも、600万人のプレイヤーは600万本の販売と同じではないことには変わらない。Game Passの存在を踏まえると、販売本数は600万本を大きく下回るだろう。ただ、Game Passのサブスクリプションを1年あるいは数カ月続けてもらうだけでも、ソフトの価格である70ドル(日本では税抜8800円)を超えることになるため、新規会員の獲得はソフト販売よりもおそらく価値がある。

しかし、『Starfield』のためにGame Passに新規加入した人の数をマイクロソフトが公表しない限り、本当のところはわからない。マイクロソフトはもう2年近くGame Passの会員数を公表していない。明らかにしているのは、主にXbox部門の売上高のみだ(ただし、ゲーム機自体の販売台数はもう何年も公表していない)。Xbox部門の業績は良いが、その内訳がどうなっているのかはまったくわからない。

『Starfield』はGame Passへの加入者を増加させ、Xbox販売もある程度押し上げるだろうが、その具体的な数字はわからずじまいとなる可能性が高い。また、販売本数も公表されないだろう。ただ、プレイヤーの多くがGame Pass利用者であることから、すばらしい数字にはならないとみられる。

マイクロソフトのゲーム事業は非常に込み入っていて、Xboxに関してこれ以上の情報を読み解くことはもはや難しい。『Starfield』はヒットした。真に意味のある数字で定量化できるヒットではないだろうが、Xboxの状況を考えると仕方がない。他のゲーム企業の大半は今も、出荷本数や販売本数、一定期間の売上高といった実際の数字を公表している。しかし、Xboxではもはやそうはいかない。私たちは、マイクロソフトのいうことをある程度そのまま受け止め、実際の意味は何であれ、『Starfield』はXboxにとって非常に大きなローンチになったのだと考えるしかない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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