米航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所によると、新たに地球に接近しているのは「2023 RG」「2023 RH」「2023 QC5」「2020 GE」「2023 RL」という小惑星。このうちRG、RH、QC5、GEは8日(協定世界時=UTC)に、RLは9日に地球の近くを通過する。
GEは2020年に、それ以外はすべて今年発見された。
RGは大きさが12mほどとバスサイズで、地球から165万kmまで接近する。
RHは大きさが27mほどと飛行機サイズ。地球との最接近距離は163万kmとされる。
QC5も25mほどと同じく飛行機サイズで、地球から407万kmまで接近する。
GEは大きさ8mほどとバスサイズで、地球から572万kmまで接近する。
9日に通過するRLも大きさ7mほどとバスサイズ。地球との最接近距離は75万5000kmと5個のなかでは最も短い。
NASAによると、軌道が地球の軌道から750万km内に入り、大きさが140mを超える天体は「潜在的に危険な天体(PHO)」とされる。5個の小惑星はいずれも地球から750万km内に入るものの、大きさは140mよりかなり小さいので、差し迫った脅威をもたらすものとは考えられていない。
いずれも肉眼では見えないが、NASAのバーチャル小惑星トラッカーで太陽系での位置をリアルタイムで確認できる。
小惑星とは?
NASAによると、小惑星は太陽の周りを回る小さな岩石の塊だ。約46億年前に太陽系が形成されたとき、ちりやガスからなる巨大な雲が崩壊して太陽や惑星ができていった。惑星にまとまらなかった残余物が小惑星になった。小惑星は普通の惑星と比べるとはるかに小さい。NASAによるとこれまでに130万3867個が確認されている。ほとんどは木星軌道と火星軌道の間の「小惑星帯」と呼ばれる領域にあるが、地球のような惑星の軌道に入ることも時々ある。小惑星は惑星など太陽系のほかの天体と同じ時期に形成されたため、科学者にとっては太陽系の歴史を知るうえで重要なヒントを与えてくれるものでもある。
NASAはこれまでに何度か小惑星探査ミッションを行っている。直近では2016年、地球近傍の小惑星「ベンヌ」を調べるために探査機「OSIRIS-REx(オサイリス・レックス)」を打ち上げた。オサイリス・レックスは現在、地球に向けて帰還中で、月内に米ユタ州の砂漠に着陸する見通しだ。ベンヌで採取したちりや岩石を持ち帰ることになっており、惑星の形成や生命の起源の解明に役立つと期待されている。
地球には小さな小惑星は衝突し続けているものの、宇宙ニュースサイトの「スペース」によると向こう100年以内に地球に衝突すると予測される大きな小惑星はない。
1990年代、天文学者たちは大きな小惑星が2028年に地球に衝突する可能性があると警鐘を鳴らしていたが、その後、以前の計算には誤りがあり、衝突は起こりそうにないことがわかっている。地球規模の災害を引き起こすほどの大きな小惑星が地球に衝突する可能性は低く、NASAによると10万年に一度しか起こらないとされる。
(forbes.com 原文)