海外

2023.09.15 07:30

テルアビブのスタートアップに根ざす繁栄の思想「Tikun Olam」

イスラエルでは、なぜスタートアップが急成長するのか

先ほど、テルアビブはユニコーン企業数が世界で5番目に多い都市になったと伝えたが、なぜスタートアップが急成長しているのだろうか。その理由として、イスラエルのスタートアップに共通する特徴があるという。

Gilad大使とDaniel経済公使は言う。

「イスラエルのスタートアップにはいくつかの特徴があります。まず、イスラエルの起業家たちは、現実の問題を解決し、世界をより良い場所にし、人間・動物・植物の生活をより良く、より健康で、より持続可能なものにしようとしています。たとえば、クライメートテックやライフサイエンス分野で多くのスタートアップが見つかるのはそのためです。

また、イスラエルのスタートアップは最初から世界的です。イスラエルは彼らの市場とは考えられていないため、スピードと競争力、グローバルな視野を持って成長していくことが求められています。

これまで、イスラエルはスタートアップ国家と呼ばれ、多くのスタートアップを輩出することに注力してきました。しかし、今日のイスラエルのスタートアップ企業は生み出すだけでなく、規模を拡大し、ソリューションを世界的に商業化するための能力を開発し、多国籍企業と提携しています。そして、能力と市場シェアが成長するにつれて、それに応じて評価額も上昇し、多くのスタートアップがユニコーンになったり上場したりしています。それだけでなく、成長したイスラエル企業は国内外の多くのスタートアップの買収にも乗り出しています」

イスラエルにはどのような投資が集まっているのか

近年の両国の関係強化は、主に、自動車、半導体、ヘルスケア、サイバーセキュリティー、フィンテック、気候変動などの産業における投資の増加からも明らかだろう。また、2021年には、日本の対イスラエル投資額は約30億ドルに達し、これは対イスラエル外国投資総額の16%を占めている。

Gilad大使によると、イスラエルには世界から個人投資家に加えて、主に金融機関と企業 CVC の 2 つのタイプの投資家が集まっているという。特にCVCは多くの場合、イスラエルのイノベーションとつながり、最新の動向を把握しようとしており、スタートアップに直接、またはイスラエルの多くのVCを通じて投資をしているそうだ。

また、もう 1 つのチャネルとして、イスラエルのインキュベーターを経由することも可能で、その一部はイスラエルのイノベーション庁によって運営されているという。
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