AI

2023.09.20 17:00

デジタル製造業に進化するなら部下に聞いてはいけない禁句

「ハイプ・サイクル」とは


ガートナーハイプ・サイクルは、テクノロジーが登場からメインストリームに至るまでのイノベーションの成熟度、妥当性、採用率を図示したもので、新しいテクノロジーはおおむね一定のパターンを経て一般化する。

2022年9月発表の「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2022年」。「Web3」のテクノロジーが、「過度な期待」のピーク期を経て幻滅期に入ろうとしている。

2度の“冬”を経て成熟したAIは、ハイプ・サイクルの「幻滅期」から「啓発期」に移った、対話型チャットボット「ChatGPT」や画像生成AI「Midjourney」をはじめとした生成AIが話題だからといって、そこから一足飛びに人間ができる知的作業を代替する「汎用AI」まで“ショートカット”して考えるべきではないと亦賀は指摘する。時間軸が混乱し、現実と未来の話が混線してしまうからだ。「すべてのテクノロジーの議論に共通して言えることですが、経営者は短期のトレンドに振り回されることなく、中長期的なメガトレンドを捉えるほうが大事です」(亦賀)
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AI時代に向いている人の特性として、亦賀は「好奇心指数(CQ)」が高い人を挙げる。「好奇心が強い人は、仕事にChatGPTが使えないか、積極的に試しています」と、亦賀は語る。ビジネスでもChatGPTをはじめとしたAIを使うほうが結果につながることも増えるだろう。だが、その有用性ゆえに、社会全体が“思考停止”しないよう注意する必要がある。「標準化やマニュアル化、機械化しないためにも、CQやEQ(感情指数)といった人間ならではの能力を高め、人にしかできないことを追求する『人間回帰』が大切になっていくのではないでしょうか」(亦賀)


亦賀忠明◎ガートナージャパン リサーチ&アドバイザリ部門ディスティングイッシュト バイス プレジデント アナリスト。大手ベンダーを経て1997年にガートナージャパン入社。ITインフラストラクチャに加え、「未来志向」をテーマに、先進テクノロジーに関する調査分析を担当。国内外の企業に戦略的アドバイスを行っている。

文=フォーブス ジャパン編集部

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