なぜ会計を「風船と豚の貯金箱」に例えるのか?
財務諸表を読めば、仕事も立体的に見える
企業経営のなかで、会計や財務は非常に大切な要素です。なぜなら、さまざまな数字は「今会社として何をすべきか」を示してくれるからです。財務諸表が読めるようになると、仕事が立体的に見えてくるようになります。例えば、上司から売上目標100万円と言われたときに、単にその100万円を点で捉えるのではなく、100万円という金額がどんな意味をもっているのか、達成できた場合、できなかった場合にそれぞれどんなインパクトがあるのかなど、背景もストーリーで理解することができます。
そこで取り入れてほしいのが、私が考案した「風船会計メソッド」です。貸借対照表を豚の貯金箱に置き換えました。なぜなら、貸借対照表は会社の資産が書かれているからです。貯めてきた資産(まるで、豚の貯金箱におこづかいを貯めたような)を表しています。そして、後述しますが損益計算書を「風船」に、キャッシュフロー計算書は豚の貯金箱の頭に置き換えます。
例えることで、右脳をフル回転させる
なぜ、あえて風船や豚の貯金箱に例えるのかというと、それには2つの理由があります。1つは、右脳の力をフルに使えるようにするためです。普段、会計帳簿にあるような数字を読んでいるのは左脳です。この左脳が一度に把握できる情報量は、A4用紙2枚程度だといわれています。すなわち、思ったよりも処理できる量が少ないのです。
一方、左脳よりも記憶力や状況把握に優れているのが右脳です。その記憶力は左脳の何倍以上もあるといわれていて、膨大な量の情報を高速でインプットすることができます。右脳は数字ではなく、絵やイメージで覚えていきます。
2つ目の理由は、心理的安全性を確保するためです。私は経営をしていく。
なかで「人は正論では動かず、数字を正論として突き付けられると、怖くなる局面が多い。また、人は正しいところではなく楽しいところに集まり、心理的安全性が保たれている環境で良いパフォーマンスを出せる」ということを学びました。
つまり財務諸表を豚の貯金箱と風船に例えれば、誰でも右脳を使って簡単に理解でき、数字を豚の貯金箱と風船に置き換えることで、組織に心理的安全性を保たせることができます。
「風船会計」さえマスターすれば、「数字嫌い」ともおさらばできるのです。