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2023.08.18

「AIの力」も借りて誰でもデザイン、Adobe Expressが生成AI搭載

Adobe Expressは独自の生成AI「Adobe Firefly」を搭載した

生成AIが社会、仕事を変えるといわれるようになってしばらく経った。OpenAIのChatGPTを利用した記事のサマリー機能を実装したサイトなども登場もしており、個人がその『力』を実際に体感する機会も増えている。

アドビは同社独自の生成AI「Adobe Firefly」を3月に発表。現在、Adobe Fireflyは同社のクリエイティブツールであるAdobe PhotoshopAdobe Illustratorなどに搭載されてきた。ジェネレーティブ塗りつぶし機能で画像に存在しない部分をAIが自動で足してくれたり、「Generative Recolor」機能で画像の配色をAIが瞬時に変えてくれるなど、Adobe Fireflyはクリエイターをサポートしてくれる実用的な機能だ。

クリエイターでなくてもその便利さは想像に難くないが、PhotoshopもIllustratorもプロが使う有料ツールであり、誰でも簡単に利用できるものでなかった。

そんな中、同社の「Adobe Express」のAdobe Fireflyを搭載した最新バージョンが一般提供された。

Adobe Expressはユーザーの技術レベルを問わず利用できるクリエイティブツールで、用意されたテンプレートを元にテキストや写真、動画を変更したり、その色やサイズをアレンジしながら、思い描いたデザインを簡単にカタチにすることができる。専門のデザイナー、イラストレーターに依頼せずとも、「いい感じ」の画像や動画を作ることが可能だ。それらは個人のSNS投稿などに使えるのはもちろん、お店のポスターやチラシ、ロゴ、仕事用の資料作成などビジネスでも使うことができる。


スキルがなくてもしっかりデザインされた画像や動画などを作れるAdobe Express。無料でも利用できる

今回のAdobe Fireflyの搭載により、日本語を含む100以上の言語に対応したテキストプロンプトで、カスタム画像やテキスト効果をすばやく生成することが可能になった。つまり思い描いているイメージを文章で入力すれば、最適なテンプレートをオススメしてくれたり、フォントやその効果も簡単に見つけられるようになるので、不慣れな人でも複雑な操作なしで選ぶだけであっという間にカタチにすることができる。


テキストを入力することでロゴのデザインも変更可能に。日本語にも対応

Adobe Expressは、これまでもデザインに対する敷居を下げてくれるツールだったが、Adobe Fireflyの搭載でそれはさらに下がったことになる。またAdobe Fireflyで生成された画像などはベータ版が終了すると、安心して商業利用することができるようになる。

さらにバージョンアップにより、PDFサポートが拡充。ドキュメントの取り込み、編集、拡張がさらに簡単になり、視覚的に美しいPDFを作成可能になっている。Adobe Express内でPhotoshopやIllustratorなどに直接、アクセスして編集したり、リンクされたファイルを追加して作業することも可能だ。

現在、Adobe Expressの最新バージョンはデスクトップ版のみ提供されているが、近日中にモバイル版にも対応予定とのこと。

Adobe Expressは無料で利用できるツールだが、月額1078円(税込)のプレミアムプランであれば、より高度な編集機能、すべてのテンプレート、1億9500万以上、ロイヤリティフリーのAdobe Stockコレクションの写真、ビデオ、オーディオ素材も利用可能になる。Adobe Fireflyはもちろん無料ユーザーでも使うことができる。

文・編集=安井克至

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