ペインポイントをカバーするとは、例えば、二の腕のたるみが気になる人向けに、「この服は二の腕をうまく隠すことができる」といったことを伝えるイメージだ。
2. 個性を出す
1を満たすと、ファンはつかないまでも、売り上げが出始める。ここでようやく個性を出すフェーズに入る。
ただ、小野里は「自分を出しすぎずに個性を出すことが重要」と話す。
「矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、例えばこういうことです。『身長が低い』ことを自分の身体的特徴をコンプレックスに感じている店員は、それを逆手にとり、『このコーデだと脚長効果が見込めます』と提案するわけです」
そのうえで、解消したいペインポイントや、紹介する商品の系統に一貫性を持たせることがファンを獲得するための重要なポイントになる。
3. 人柄を表に出す
1と2をクリアすると、店員への共感からファンが生まれ始める。そしてカリスマにのぼっていくうえで最後に必要なのは「店員個人の人柄や人徳」だ。
「好きな芸能人を思い浮かべて欲しいんです。最初は見た目が良いとかトークが面白いという理由で興味を持ちますよね。でも“好き”に変わる理由って、雰囲気が落ち着くとか普段の言葉使いが良いとかそういうものです」
個性と人柄は意味の近い言葉だが、ここでの使い分けとしては、体型など目に見えるものが個性、より内面に焦点を当てたその人らしさが人柄だ。
今年もスタッフ・オブザイヤーの選考が始まっており、1300ブランド8万人のなかから、9月に頂点のカリスマ店員が決まる。
地方にこそ商機はある
多くのカリスマを誕生させているSTAFF STARTだが、実は地方こそ大きなポテンシャルを秘めている。バニッシュスタンダードの調査では「店員1人あたりの売り上げは、富山県が全国で最も高い」という結果が出ている。その金額は月間594万円で、ちなみに東京は489万円で4位だ。「地方の店舗は都市に比べて来店客が少ないので、オンライン上の投稿に時間をかけることができます。STAFF START経由では、1投稿あたりの平均売り上げが約16万円で、投稿にかかる時間は5分。つまり月の売り上げ目標が100万円の場合、30分程度、6.25回の投稿で達成可能です。そのうえ時間が生まれやすい地方店の方が東京都心よりもECで売れる仕組みが整っているんです」
また、STAFF STARTを導入している企業の多くは、EC売り上げの一部を店員に還元している。
「世の中に賃上げの動きがありますが、その一端を担えていると思っています。今後もSTAFF STARTを通じて新たなカリスマEC店員の輩出をしていきます」