宇宙

2023.08.17 18:00

宇宙はテストベッド!ユーグレナのミドリムシ博士に聞く宇宙開発の魅力【伊東せりか宇宙飛行士と考える地球の未来#21】

2025年、ユーグレナが宇宙へ!

せりか:宇宙空間で科学実験ができる衛星を開発中のスタートアップ、ElevationSpace(第20弾に登場)と、ユーグレナの宇宙実験を行う予定だと聞きました。どのような成果が期待されますか?

鈴木さん:微小重力下でユーグレナを育てるとどうなるのかは、地上での実験やシミュレーションでも予測できますが、やはり軌道上でしかできないこともありそうです。そのため、まずは1度宇宙実験をやってみようと思ったんです。宇宙実験は、国際宇宙ステーション(ISS)でもできるかもしれませんが、せっかくなのでスタートアップと歩調を合わせて取り組みたいなと思い、ElevationSpaceさんとやり取りをさせていただいています。

ElevationSpaceさんのサービスでは、衛星を使って宇宙空間で実験をした後に、サンプルを地上に持ち帰ることができます。なので、宇宙から帰ってきた、生きているユーグレナの遺伝子情報を読んで、行く前と後でどう変わるかを考察できると考えています。

せりか:生きたまま地上で回収することができるんですね!実験の結果が楽しみですね。そのほかに、注目されている宇宙開発の分野はありますか?

鈴木さん:個人的には、地球観測衛星なども地上への波及効果が高いと考えていて、自分たちの取り組みにも活用できる技術が提供されるようにならないか期待しています!例えば、ユーグレナを育てるのに適した場所を宇宙から衛星で調べたり、大量発生している環境を探したりできるといいですね。

宇宙を目指していると、普段は利害が関係しない人たちとも一緒に、色々な分野について横断的にディスカッションできます。宇宙は研究開発のテストベッドとしても、すごく大きな魅力がありますね。

せりか:地球観測衛星とのコラボレーション、面白そうですね!ぜひチャレンジしていただきたいです。最後に、事業を通じて実現したいことを聞かせてください!

鈴木さん:私たちのフィロソフィー「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」の行き着く先になるかなと思います。ユーグレナから、人が必要とする資源をなるべく多く生み出せるようにしたいです。将来的には、衣食住を全部ユーグレナのサービスで賄えるようになるかもしれません。そしてSDGsの17の目標を、2030年までに一つでも多く実現することが事業上の目標です。そのためにサービスと研究開発による、技術の蓄積も継続していきます!

せりか:鈴木さん、ありがとうございました!

せりか宇宙飛行士との対談シリーズ第21弾のゲストは、ユーグレナの鈴木健吾さんでした。

次回は、衛星を活用した農業支援や炭素排出濃度の測定事業を手掛けるオーストラリアのスタートアップ、LatConnect 60の代表であるヴェンカテシュワラ・ピレイさんをお迎えして、衛星ビジネスのポテンシャルをうかがいます。お楽しみに!

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