専用アプリの使用イメージ。見守る家族が暮らす環境のデータ、バイタル情報が届く
Bluetoothによる拡張機能も
POMは「ユーザーがシンプルに使えること」を最優先に考えてTYCがつくったデバイスだが、今後新しい機能を追加するための余地も残されているようだ。アプリには、離れて暮らす家族の周辺地域の気象情報を表示したり、熱中症の注意報などが発令された場合にアラートを送る機能などもある。さらにPOMの本体にはBluetoothにより外部のスマートデバイスと連携するための機能もすでに内蔵されている。
シュー氏は「スマートロックやドア開閉センサーと連動しながら、対象者の行動をより広く宅内全体で見守るサービスに発展することも将来は可能」であるとした。また、スマートスピーカーを使って音声で見守りデータを確認する機能などを足すことなども技術的には可能であることから「ソースネクストのサポートも仰ぎつつ、ユーザーの要望にも耳を傾けていきたい」とシュー氏は今後の展望を語った。
POMの国内向け販売をサポートするパートナーとして名乗りを挙げたソースネクストの代表取締役社長小嶋智彰氏が、記者会見で今後の協業に向けた意気込みを語った
POMは1人で暮らす高齢者の見守り用途を想定してつくられているため、1つの部屋に住む2名以上の高齢者を同時に見守ることができない。コーク氏はこの点を課題として受けとめつつ「多くの方々にPOMを使っていただけるようアップデートにも注力する」と宣言した。そしてPOMと外部Bluetooth機器との連携により「家族の見守り」以外にもデバイスを提案する道筋を切り拓きたいとした。目線の先はPOMを日本で成功させた後の世界展開も見据えているようだった。
米国に誕生したスタートアップによる「日本発」の見守りデバイスが、介護や医療の現場のデジタルトランスフォーメーションに大事なひと役を担うのか。発売後のPOMの動向にも注目したい。
連載:デジタル・トレンド・ハンズオン
過去記事はこちら>>