「かんぱに☆ガールズ RE:BLOOM」は、DM2C Studioの完全オリジナル作品だ。このゲームの基になった「かんぱに☆ガールズ」は、DMM GAMESからRPGとして2014年にリリースされ、約250万人がプレイした。2021年7月でサービスを終了していたが、これをBCGとして復活させたかたちだ。こちらもNFT化したキャラクターを育てたり、保有するアイテムを強化したりして対戦を行う。サービス開始は来年の前半を予定している。
「神櫓-KAMIYAGURA-」は、NFTトレーディングカードゲーム。カードの強さを競う対戦のほか、カードの収集や売買をすることもできる。「Digital Entertainment Asset」とDM2C Studioが共同で開発を行う。来年中にサービスを開始する見込みだ。
以上の3タイトルは、すべて独自のVerse(ゲームを行うブロックチェーン基盤)でゲームを展開する。
トークンを発行し、経済圏創出へ
DMMでWeb3事業を担うDM2C Studioで、Web3ビジネスマネージャーを務める佐藤達也氏は「従来のゲームで遊んでいた人たちが、いかにBCGに振り向いてくれるかが、今後の重要なテーマ」と話す。特に既存ファンを持つ「かんぱに☆ガールズ」のBCG化は、ユーザーがWeb3を利用するハードルを下げる作品として用意された。「コインムスメ」も、基本的に基本無料でプレイできるため、利用にあたっての障壁は感じにくい設計になっている。
一方で「神櫓-KAMIYAGURA-」は「特にNFTカードが資産性を帯びるものにしていきたい」(佐藤氏)といい、タイトルごとにWeb3としての特徴にの差をつけていく考えだ。
DMMグループでは、4年前からWeb3の研究や事業企画の検討を始め、この1年でWeb3ゲームの開発を進めてきた。SNSでのユーザーとのコミュニケーションを通して、BCGに求めることをヒアリングしたり、BCGの利用者が多い東南アジアに出向いて現地調査を行ってきたりしたという。
「会長の亀山も『小さく試すのではなく、DMMグループの独自トークンを発行し、経済圏をつくれるよう、長い目で取り組んでいこう』という考えで、われわれもその意思のもとでプロジェクトを進めています」
いよいよ幕を開ける日本の大手ゲーム事業者によるBCG。Web3全体としても日本に追い風が吹くなか、国内に向けては利用ハードルをいかに下げていくかがカギとなる。また、海外に対しても日本の強みであるIPを武器に、先行するBCGプレイヤーにも対抗していくことができるにちがいない。