グライフェネダーは、生成AIの価値は、その本質的な性質が確率的なものであるため、使われる訓練データの質とユーザープロンプトに大きく依存するという。彼の主張では、生成AIの力は、それを因果AIや予測AIに結びつけることで大幅に増大させることが可能だ。そして、それぞれのAIが特定の能力を持つ単一のハイパーモーダルAIを作ることができるという。それでは、これらの各モーダルモードがどのように動作し、どのようにいっしょに動作するのかを見てみよう。
・予測AI(Predictive AI)
予測AIは(驚くことではないかもしれないが)予測への利用が適している。顧客の需要のトレンド、季節変動、人気の急上昇など、過去の出来事からのデータを取り込むことで、特定の市場や状況で存在する歴史的な行動パターンの全体像を作り出すことができる。同じ手法をクラウド環境に適用し、同じ期間を通じてパフォーマンスやアプリケーションの健全性の変化を見ることで、市場の動きが進展する中で未来の行動を予測し推奨することが可能だ。・因果AI(Causal AI)
「なぜ事が起こったのか」を明らかにするために使われるのが因果AIだ。クラウド管理における因果AIは、大量の観測データとセキュリティデータを通じての、アプリケーションやサービス間の依存関係(重要なつながり)を分析することで、事実に基づく確定的で精密な解答を提供するために構築される。この過程で、それぞれのデータポイントの出典を反映した正確なコンテキストが保持される。この種のAIを適切に活用すれば、パフォーマンスを向上させるためのインテリジェントな自動化を実現できるようになるだろう。・生成AI(Generative AI)
その名前のとおり、生成AIは生成するために使われる。大規模言語モデル(LLM)の特徴であるテキストベースのアプローチを用いて、次に最も確率の高い単語やフレーズに基づいて回答を生成することもあるが、クラウド管理においては、顧客の特定の環境と状況に対応した特定の課題の解決策を提案するために適用される。Dynatraceは技術的な製品説明の中で「Davisの予測AIモデルと動的な機械学習は、過去のデータと観測されたパターンに基づいて未来の行動を予測するために使われます。これにより、お客様はアプリケーションならびに基盤となるインフラのパフォーマンスとセキュリティに関連する将来のニーズと問題を予測し、問題が発生する前に対策を講じることが可能になります」と述べる。
さらに同社は、Davisの因果AIが、同社ブランドのGrail(グレイル)データレイクハウス内のリアルタイムで文脈豊かな観測結果とセキュリティデータ、そしてSmartscape(スマートスケープ)トポロジーからの因果依存性を分析して、問題の予防、確定的な根本原因分析、自動リスク修復に必要な精確な回答と知的な自動化を提供することも述べている。