AI

2023.07.27

生成AIのユニコーンの70%以上がグーグルクラウドを利用

グーグルCEOのスンダー・ピチャイ(Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

グーグルの親会社のアルファベットが7月25日発表した2023年第2四半期(4〜6月期)の決算では、同社のクラウドやプロダクトにおいて生成型の人工知能(AI)の採用が拡大していることが強調された。

スンダー・ピチャイCEOは、生成AIのスタートアップの70%以上がグーグルのクラウドインフラとAI機能に依存していることを強調した。

「当社のAIに最適化されたインフラは、生成AIモデルをトレーニングし、サービスを提供するための主要なプラットフォームになっている。Cohere(コヒア)やJasper(ジャスパー)、Typeface(タイプフェイス)などの生成AIのユニコーン企業の70%以上がグーグルクラウドの顧客だ」とピチャイは語った。

グーグルクラウドはまた、Vertex AIプラットフォームや、先進的なTPUチップ、80以上の事前学習済みAIモデルのライブラリなどのリソースへのアクセスを新興企業に提供し、開発を加速させている。

クラウド部門自体も力強い成長を続けており、第2四半期の売上高は28%増の80億ドル(約1128億円)だった。同部門の損益は3億9500万ドルの黒字で、前年同期の5億9000万ドルの損失から大きく前進した。グーグルクラウドは今年第1四半期に初の黒字化を達成した。

グーグルはまた、自社製品全体に生成AIを取り入れている。ピチャイCEOは、PaLMや今後のGeminiなどの大規模言語モデルが、どのようにサーチ(検索)やWorkspaceの生産性ツールをより便利にしていくかを説明した。

例えば、生成AIを検索結果の表示に用いる「Search Generative Experience(SGE)」では、AIを使ってより自然で会話に近い検索結果を提供する。このテクノロジーは、ユーザーが複雑なトピックについて調べたり、意思決定したりする際に役立つという。

広告面では、生成AIがグーグルの膨大な数の広告顧客のために、クリエイティブや最適化、キャンペーン管理を強化している。さらに、Bardの会話型AIやWorkspaceのDuet AIなども、利用が拡大しているという。グーグルは、最も有望なAIアプリケーションの開発を優先し、集中的な人員配置を行っている。

「当社の新たな生成AIプロダクトは市場を拡大し、新たな顧客を獲得している」とピチャイは語った。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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