「転売ヤー」を自動特定する新兵器の正体

プレスリリースより

どこからか物を買って売るというのは商売の基本なので、転売は悪いことではありませんが、悪質ないわゆる「転売ヤー」はEC(ネットショッピング)市場を乱す厄介者です。コロナ禍の巣ごもり需要でEC(ネットショッピング)市場が急激に拡大すると同時に転売ヤーも増えていますが、とくに小規模な業者はその対策まで手が回らない状況です。そこで、不正転売を自動的に突き止めて対処してくれる正義の味方が登場しました。

初回限定割引価格の商品を他人のふりをして何度も購入して高値で販売する。不当に入手した製品を普通ではあり得ない低価格で売りさばく。こうした不正転売行為は商品価格の値崩れを招き、多くの業者が迷惑します。また、本来なら品質管理ではねられるはずの商品や傷物を安く仕入れてきて売りさばくといった不正転売は、メーカーや正規販売店のブランド価値を低下させます。個人的な小遣い稼ぎの転売ヤーとは次元の違う悪質な存在であり、対策が必要です。

ECブランドの販売支援や育成事業などを展開するスタートアップ、ACROVE(アクローブ)は、効果的な不正転売対策を確立するために、サイバーセキュリティー診断やコンサルティングを行うGMOサイバーセキュリティbyイエラエ(GMOイエラエ)と業務提携しました。GMOイエラエは、Amazonや楽天などのECモールでの価格調査を常時行い、店舗ごとの値崩れを可視化するツール「プライスサーチ」を提供しています。同ツールは、値崩れしている店舗や商品を発見し、それがどの店舗から始まったか、どの業者が追随しているなどを把握できます。ACROVEは、それを活用して不正転売の動きをいち早く察知し対応することで、「顧客貢献性の高いサービス」を提供するとしています。

コンサートのチケットなど一部を除き、転売自体は違法ではないため、転売業者への対応にはさまざまな法律に留意して慎重に進める必要があります。そこでACROVEは、転売対策に強いモノリス法律事務所と顧問契約を結びました。悪質な転売ヤーが減ることを願います。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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