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2023.07.20 19:00

富裕層になりたければ、投資よりまず──?

石井節子

Getty Images

bitbank COOを経てCygnos Capitalを運営する三原 弘之氏に、富裕層の考え方の傾向などについて伺いました。

三原 弘之氏 プロフィール

早稲田大学を卒業後、楽天にエンジニアとして入社し、楽天市場の開発業務に従事。2014年、ビットバンクへ社員第一号として参画し、執行役員COOとして国内最大級の仮想通貨取引所へ成長させる。現在は海外クリプトヘッジファンドの戦略へ分散投資する日本初のファンド、Cygnos Crypto Fund を運営。Twitter:https://twitter.com/h3hara Cygnos:https://cygnos.capital/
https://overseas.cygnos.capital/

取材実施日
2023年5月10日

資産10億円、30億円あるとシンガポールで余裕をもった生活ができる

──三原さんの周りのいわゆる富裕層の方々というのは、現在どのような運用をされている方が多いのでしょうか。

まず富裕層の定義ですが、Twitterに投稿していたとおり、一旦この場では資産10億円以上と仮定して話をします。

そして、日本在住の方々とも話す機会はありますが、頻繁に交流があるのはシンガポールやタイに滞在している方々です。なのであくまでその交流の中での経験で話せる範囲になります。

ちなみに、全てをプライベートバンクに預けて低リスクで運用して得られるリターンがおおよそ3-5%と言われています。

そのため全資産が10億円だとすると年間で3000万円から5000万円程度がリターンになると思われます。

事業を何もせずに配当だけで生活する前提として、これくらいの収入だとシンガポールで家族がいて満足のいく生活ができると思いますが、シンガポールは物価もかなり高いので、資産30億円あるともっと生活に余裕が出て、年に数回の海外旅行や高級ブランド品の購入等を楽しめるというのが水準かなと思います。

シンガポールの富裕層は上を見たらキリがないので、あまりギリギリで生活したくないという方が多いでしょう。

──もし全資産が30億円の場合、どれくらいをプライベートバンクに預けるものなのでしょうか。不動産など様々な形で資産を持っていると思いますが、それらはどのように扱われるのでしょうか。

配分は人にもよると思います。

基本的に、日本の不動産は海外のプライベートバンクには預けられないことが多い印象です。預けるのは現金が主体となります。

もちろん、それを担保に借り入れができるという意味である程度の不動産を持っていることは強みになりますが、日本の不動産をどれだけ所有していてもシンガポールでそれを担保にした借り入れができないのであれば、シンガポールで生活する上ではあまり関係がありません。

プライベートバンクに預けるためには、担保価値がありプライベートバンカーが扱えるものでなければいけません。
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