今回の事故では、同じく共同創業者のストックトン・ラッシュ最高経営責任者(CEO)ら5人が死亡した。10年前にオーシャンゲートを退社し、現在は少数株主としてのみ関与するソンラインはスカイニュースに対し、経営陣が事態の収拾に追われているため、会社の今後はまだ不透明だとした上で、向こう数週間で取締役会が経営存続の是非を検討するとの見通しを示した。
同社のウェブサイトは、潜水艇が消息を絶ったことが確認された直後からアクセスできなくなっている。
オーシャンゲートは、潜水艇の実験的アプローチに関する警告を無視したとして、映画『タイタニック』のジェームズ・キャメロン監督を含む多くの人から批判されている。だが、ソンラインはラッシュを「優秀な技術者」で「安全に尽力」し、タイタンの深海潜航に伴う「リスクを熟知していた」と擁護した。
ソンラインは、会社が過失責任を問われるかとの質問に対しては「私に答える資格はない」と返答。こうした事態に備えて同社が保険に加入しているかどうかもわからないと述べた。ただ、ツアー参加者は「全員」がミッションスペシャリスト(搭乗運用技術者)として登録され、訓練を受け、海面近くでの潜水作業も体験し、潜水中は乗組員として積極的な役割を担うと説明。「探検家として搭乗した誰もが、乗客でも観光客でもなく、実際に乗組員の一人として活動したという事実をとても誇らしく思っていた」と語った。
米沿岸警備隊によると、タイタニック号の残骸の近くで見つかったタイタンの破片の状況からは、耐圧殻が損壊し爆縮(圧壊)が起きたことが示唆されている。タイタンにはラッシュの他、英実業家ハミッシュ・ハーディング、フランスのタイタニック研究者ポールアンリ・ナルジョレ、パキスタン系英国人の実業家シャーザダ・ダウードとその19歳の息子のスルマンが乗っていたが、全員が死亡したとみられる。米紙ウォールストリート・ジャーナルは22日、当局筋の情報として、潜水艇が20日に潜航を開始してからわずか数時間後に米海軍が「爆縮または爆発と一致する異常音」を検知していたと報じた。