北米

2023.06.24 07:00

潜水艇事故の米企業、会社「存続」の是非検討へ 共同創業者

米オーシャンゲート・エクスペディションズの潜水艇「タイタン」(Ocean Gate / Handout/Anadolu Agency via Getty Images)

事故をめぐっては、タイタンの実験的性質と安全性に関する懸念が指摘されていたことが明らかになっている。1997年に大ヒットを飛ばした映画『タイタニック』を通じ、1912年に沈没した同号への世界的な関心を呼び覚ましたキャメロン監督は、オーシャンゲートは潜水艇の危険性を知っていながら専門家の警告に耳を傾けなかったと批判。氷山に関する警告を無視して事故を起こしたタイタニック号の状況と「似ていることに衝撃を受けた」と話した。
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米ハーバード大学の元物理学講師で、タイタニック号まで3キロ余りの水深まで潜った経験のあるマイケル・ギレンは、2000年に自身が乗った潜水艇とタイタンを比較。自身の潜水艇が「真剣な人々によって造られた」のに対し、タイタンは「主に観光用に設計された」と英ニュース専門局GBニュースに語った。

オーシャンゲートは2009年に設立され、沈没船や海底渓谷を間近で眺められる潜水艇観光ツアーを提供してきた。タイタニック号見学ツアーの参加費は、1人当たり25万ドル(約3500万円)。同社は2014年に約50万ドル(約7200万円)、2020年の投資ラウンドで1930万ドル(約28億円)を調達。アクセスが不可能になる前の同社ウェブサイトには、これまで太平洋、大西洋、メキシコ湾で14回以上の探検と200回を超える潜水を実施し、5人乗りの潜水艇3隻を建造したと記されていた。

米ABCニュースによれば、19歳で世界最年少のジェット輸送機パイロットになったラッシュは、YouTube(ユーチューブ)に掲載していた動画で「本当は探検家になりたかった」と語っていたという。この動画は現在削除されている。
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forbes.com 原文

編集=荻原藤緒

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