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2023.06.19 08:30

凸版印刷が「ミラーワールド」の構築に挑む理由

凸版印刷 の有馬慶

——かなりアート寄りな手法というか、問いを投げかけるようなアプローチを選んでいるのですね。
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アートや展示で世の中に驚きや問いを提供することで、幅広い層に問題提起できると思っています。「何これ?」という引っ掛かりから、みんながミラーワールドについて考え始めるような、そういうドライブが起こると面白いなと。

事業を進めるにあたっても、まずはイメージやビジョンの状態から始めて、いろんなツッコミや意見をもらい収束していくような形の方が具体性のある方向に進むと考えています。

聞き手のKonel・知財図鑑代表の出村光世
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——大企業というカテゴリーの中で半歩先を行く取り組みですね。最近、社会に対して共創や技術拡張できるリソースがあることを示すために、オウンドメディアを活用する企業が増えていますが、すでにそれも実践されています。

コミュニティの一つとして、まず初めにメディアをつくりました。

大学教授、クリエイターなど有識者にインタビューしながら、さまざまな領域の人にGEMINIのミラーワールドに関わってもらい、それを発信する取り組みをしています。コミュニティを拡張しながら動いていくのは面白いですね。

ミラーワールドの現在地とこれから

——ミラーワールドやデジタルツインについて語る時、デジタルとリアルを二項対立と捉えるケースも見かけますが、その点についてはどう考えますか。

二項対立的な考えはまったく持っていません。デジタルとリアルの両方があって、両方否定しない状態からそれが合わさった時に、新しい価値が得られるはずです。

デジタルには、情報のスピード感やそこでしか表現・改編できない要素などがあり、リアルの劣化コピーとは思えない。まったく別物ですよね。デジタルとリアルの2つの間、境界線の活用法を考える方が面白いです。

——デジタルでシミュレーションしたアウトプットや実証実験の結果を、リアルで使うという方法もあり得ますよね。

デジタル世界の中にコミュニティが存在するのであれば、そこでサービスを先行提供し、人気が出たものを採用していくのもありですよね。ミラーワールドは、事業の可能性を試す場としても機能すると思います。
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文=出村光世

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