いわゆる周連星惑星系と呼ばれるものとしては12番目に発見されたが、複数の惑星を持つものはわずか2番目となる。最初に発見されたのは2021年だった。
TOI-1338と呼ばれるその連星系は、2つの恒星を有し、1320光年離れた南半球の星座、がか座(画架座)の中にある。
6月12日にNature Astronomyに掲載された、BEBOP(Binaries Escorted By Orbiting Planets)という研究チームのメンバーによる論文は、第2の惑星BEBOP-1cの存在を明らかにした。
第1の惑星、TOI-1338bは、2020年にトランジット法(食検出法)を用いて発見された。恒星の1つから届く光が、TOI-1338bが恒星を横切る際にわずかに遮られるところをNASAのトランジット系外惑星探索衛星(TESS)が捉えたところを研究チームは発見した。惑星TOI-1338bは太陽系の海王星に少し似ていると考えられている。
しかし、BEBOP-1cは視線速度法を用いて発見された。チリのアタカマ砂漠に設置された2台の望遠鏡が、恒星の1つがふらついているところを検出。それは周回する惑星の引力にのってのみ起こる現象だ。
「これまでに周連星惑星系は12個しか知られておらず、これは複数の惑星を持つ例としてわずか2つ目です」と天文学者でオハイオ州立大学セーガン・フェローのデビッド・マーティンはいう。
また、BEBOP-1cは比較的大きく、質量は地球の65倍もあるが、木星と比べると約5分の1となる。BEBOP-1cは両方の恒星を215日毎に周回している。
「これは確認するのが難しい連星系でした。BEBOP-1cが軌道の重要部分を周回している時期に、チリの望遠鏡が新型コロナによるパンデミックのために6カ月間閉鎖されてしまい観測が中断されました」と主著者で英国バーミンガム大学で博士課程を修了し、現在英国オープン大学の研究員であるマシュー・スタンディングがいう。「軌道のこの部分を再び観測できたのは昨年になってからで、そこで検出を最終確認しました」
(forbes.com 原文)