「粉と水とトッピング、というシンプルな構成だからこそ、ごまかしが効かない。日本の職人気質(今や「shokunin」と英語でもそのまま使われることもある)のおかげで、極上のピザが食べられる」というのが彼らの言い分だ。
5月30日、ピザに特化したランキング「50 Top Pizza」のAsia Pacific 2023版が東京で発表された。「50 Top Pizza」は、イタリアを拠点とするレストランランキング「50 Top」のひとつで、ナポリ風のピザがユネスコの無形文化遺産に登録された2017年にスタートした企画だ。
ランキングは審査員による投票が基本。世界に1000人、日本が属するアジア・パシフィック地域には150人いる投票者の投票による第一選考で絞られ、続く二次選考で順位が決定される。
今回の東京の授賞式は、在日イタリア大使館の支援のもと、イタリア文化会館で開催された。この地方版ランキングはオーストラリアやニュージーランドなどのオセアニア、インド、中東などもカバーするため、授賞式には16カ国、48のピッツェリアの代表シェフほか、メディアや関係者、約300人が参加し、国際色豊かな様相をみせた。
地域No.1に輝いたのは、マンダリンオリエンタルホテル東京内にあり、同ホテルの総料理長、ダニエレ・カソン氏が率いる「ピザバーon 38th」。以下、上位15店が、ナポリでの世界版への参加権“ゴールデンチケット”を手にした。
この後は6月27日にアメリカ版の結果が、そして9月13日には世界版のトップ100店がナポリで発表される。
主催のアルベルト・サペレ氏は、「特にアジア地域で、軽いクラストに地元の食材を組み合わせたコンテンポラリー・ナポリ風というスタイルの流行がさらに大きくなってきている」と、昨今のトレンドを評する。
また、「イタリア政府は、ナポリのピザ文化だけでなく、イタリア料理そのものもユネスコ無形文化遺産にしたいと推薦を行っている」ということで、洗練された「イタリア料理の食体験としてのピザ」を浸透させるための動きも加速していきそうだ。