今、改めて押さておくべき「AR」と「VR」の特徴と違い

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いくつかの分野にはVRが導入されている。例えば小売業では、ユーザーが服やアクセサリー、あるいは新しいヘアカットを試着することができる。この業界ではVRは2028年までに約180億ドル(約2兆5000億円)程度に成長すると予想されている。自動車業界もVRを利用している。たとえばメルセデス・ベンツ、アウディ、テスラのような企業がこの技術を使用して仮想ショールームを提供している。世界の自動車VR産業は、2026年までに540億ドル(約7兆6000億円)に成長すると予想されている。

仮想現実(VR)の種類

アトリア大学によれば、VRには3つのタイプが存在する。

非没入型VR(Non-immersive VR)はビデオゲームコンソールやパソコンを使って仮想環境を創り出すもので、これが最も一般的な形態だ。ユーザーは現実世界の状況を認識しつつ、同時にコンピュータによって作られた仮想世界を体験することができる。ユーザーは対象への直接的な接触を行わずに仮想世界内の行動を制御することが可能だ。非没入型VRの典型的な例は、ユーザーが対象に直接触れることなく画面内のキャラクターを操作するビデオゲームだ。

半没入型VR(Semi-immersive VR)は部分的な仮想環境に基づいた体験を提供する。それは物理的な環境に接続せずに仮想ツアーを可能にする。ユーザーはVRゴーグルを使用して、物理的な接触なしに仮想環境を体験できる。これは、ユーザーが物理的な感覚なしに仮想世界にいられることを意味する。この技術は、現実感を伝えるために高性能で高解像度のセンサーに依存する。半没入型VRの一般的な例は、大型プロジェクターシステムとコンピュータグラフィックスを使用したパイロット訓練用のフライトシミュレーターのような教育・訓練教材だ。

完全没入型VR(Fully-immersive VR)は、音、視覚、ときには嗅覚といった感覚を組み込んで、可能な限り多くの感覚を刺激し、まるで現実にいるかのような体験を作り出す。この種類のVRは、物理的な環境から完全に隔離されている。完全没入型VRではユーザーは仮想世界に身を置き、出来事を自分自身が体験しているかのように感じる。これは体感器、VRヘッドセット、手袋、嗅覚デバイス、感覚検出器などの機器を使用することで可能になる。この種類のVRの一般的な使用例は、仮想ゲームゾーンで、プレイヤーが仮想環境と接触しながらお互いに競い合う場面だ。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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