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2023.06.02

メタが新型VRヘッドセット「Quest 3」発表、アップルに先駆けて

(c)Meta

メタのマーク・ザッカーバーグCEOは6月1日のインスタグラムの投稿で、同社の最新型のVR(仮想現実)ヘッドセット「Meta Quest 3」を発表し、より高品質なディスプレイと解像度を実現すると述べた。メタは、アップルが初のVR業界への進出を発表する直前にこのデバイスを発表した。

秋に発売予定のQuest 3の価格は499ドル(7万4800円〜)で、詳細は9月27日のカンファレンスで発表されると、ザッカーバーグは述べている。

新たなヘッドセットは、より高い解像度のディスプレイを搭載し、既存のモデルよりも軽く薄い作りになる模様だ。また、前面にステレオRGBカメラと深度センサを採用することで、現実世界と仮想現実を重ね合わせるMR(複合現実)テクノロジーに対応する。

Quest 3は、2020年秋に発売されたQuest 2よりも200ドル高くなる。

アップルは、4月のブルームバーグの記事で、6月5日に開催される開発者会議(WWDC)で同社初のMRヘッドセットをデビューさせると報じられた。同社は、メタやマイクロソフトなどの他のハイテク大手に続き、初めてバーチャルリアリティ業界に参入することを望んでいる。アップルの製品は「Reality Pro」と呼ばれ、価格は3000ドル程度と予想されている。

このヘッドセットは、iOSをベースとしたxrOSオペレーティングシステムを採用し、iOSアプリをすべてのアップル製品で動作させるというアップルの取り組みを推し進める予定とされる。中国のOPPOも31日「OPPO MR Glass」と呼ばれる開発者向けに特化したMRヘッドセットを発表した。

以前はフェイスブックとして知られたメタは、2021年に社名を変更し、仮想現実とソーシャルメディアを組み合わせたメタバースの構築に重点を置くと宣言した。同社は、2014年にオキュラスを20億ドルで買収し、VRへの注力を開始していた。コンシューマー向けの最初のVRヘッドセットのOculus VRは2016年に発売され、価格は599ドルだった。Quest 2の価格は、製造や輸送コストの関係で、2022年に299ドルから399ドルに値上げされた。

The Vergeの報道によると、今年3月時点のQuestヘッドセットの累計販売台数は2000万台という。この数字には、Quest 1、Quest 2、Quest Proの販売が含まれているが、大半はQuest 2であるとされる。メタは、2022年の同社のVR部門のリアリティラボの営業損失が137億ドル(約1兆9000億円)と発表しており、2021年の102億ドルの損失から拡大した。

調査会社IDCによると、2022年の世界のヘッドセットの出荷台数は前年比20%のマイナスで、ヘッドセットに対する消費者の関心は低下したという。しかし、メタはこの分野の巨人であり続け、IDCによれば、2022年のVRヘッドセットの全売上の80%を占めている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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