今、改めて押さておくべき「AR」と「VR」の特徴と違い

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ARの他の一般的な用途としては、たとえば家具会社のイケアが顧客に家具を自分の家に重ね合わせて見ることを可能にして、彼らがその見た目が好きかどうかを決定させたり、神経外科医が手術をガイドさせるために脳のARスキャンを使用したり、フットボールの試合中の放送でARを使用してフィールド上にラインを描きプレイを分析したりするなどがある。

拡張現実(AR)の種類

マイクロソフトによれば、ARには2つのタイプが存在する。

マーカーベースのARは、スマートフォンのカメラが捉えた物理的な写真やマーカーによってトリガーされ、それらの上にデジタルコンポーネントを配置する。これらのマーカーは、ロゴやQRコードのような物体やビジュアル要素を表現することができる。

マーカーレスARはより複雑で、マーカーには依存せず、代わりにユーザーがコンテンツを表示する場所を決定できる。デバイスは認識アルゴリズムを使用してパターン、色、類似した特徴を探し、対象が何であるかを決定する。そして、デバイスはGPS、加速度計、カメラ、コンパスを駆使して、現実世界の環境内に画像を重ね合わせる。

仮想現実(VR)とは?

ARと異なり、仮想現実(VR、Virtual Reality)は、通常ヘッドセットやヘッドホンの助けを借りて、ユーザーを現実世界から切り離す没入型の体験だ。五感すべてを組み込むことも可能だ。現実世界に物事を組み込むのではなく、現実世界を置き換えてユーザーを完全に新しい世界に置く。この技術は、ユーザーがコンピュータの力を借りて三次元体験をすることを可能にする。

VRはヘッドセット、コントローラー、トレッドミルなどのハードウェアと、ゲームエンジン、コンテンツ管理、トレーニングシミュレーターなどのソフトウェアを組み合わせて、完全な体験を作り出す。VRの2つの主な特徴は、物理的な世界を打ち消して、ユーザーを完全に仮想世界に置くことで機能する没入感、そしてユーザーが要素を制御することを可能にして没入感を高めるインタラクション(対話型操作)だ。
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翻訳=酒匂寛

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