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2023.05.30

タイミー創業者の小川嶺が、小学校の「転校」で学んだこと

タイミー創業者の小川嶺

そんな小川に挽回の機会が訪れる。小学5年生のときに都内で別の学校に転校することになったのだ。新しい学校では、それまでの小学校生活でうまくいかなかったことの「なぜ」を検証し、良好な人間関係を築くにはどうすればいいのかを考えた。

「今振り返るとPDCAを回そうとしていたんですね。当時は無意識に、どう振る舞えばいいのかを考えて過ごしていました」

転校先では、いち早くクラスのキーパーソンとなる人物を見極め、その生徒と良好な関係を築いた。そして、楽しく小学校生活を送れる環境を手に入れることができた。

まずはファンになってもらう

こうした天性の処世術は、将棋やサッカーに触れたことでより実践的になり、小川の人生に大きく作用することになった。

自らが求める状況を手に入れるためには、周囲にいる人を喜ばせる必要がある。つまり経営者であれば顧客や投資家、従業員などのステークホルダーの欲を満たすことだ。そのために他人を理解し、その人が持つ「欲」を見極める必要がある。小川はそのスキルを自然と身に着けていた。

「商談をする際、相手がタイミーに興味を持ってくれていることもあれば、そうではないこともあります。でも相手の時間をいただいているので、会ったことに意義があったと感じてもらいたい」

まずはファンになってもらうことで、巻き込んでいくのだ。

「一期一会の出会いを大切にすること以外に、人を巻き込んでいく方法はないと思っています。出会いの場で信頼を蓄積して“信頼残高”を増やしていくことが、その力を伸ばす方法なんじゃないかなと思います」

>>続く

◤30U30 AIUMNI INTERVIEW◢
「タイミー小川嶺」
#1 タイミー創業者の小川嶺が、小学校の「転校」で学んだこと
#2 タイミー創業者の究極の決断。学生起業家から「普通の学生」に
#3 5年で累計273億円調達。タイミーの成功要因は?
 #4 「座学が足りてない」 成功した学生起業家を動かした言葉

文=尾田健太郎 取材・編集=田中友梨 撮影=山田大輔

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