UNDER 30

2023.05.30

タイミー創業者の小川嶺が、小学校の「転校」で学んだこと

タイミー創業者の小川嶺

「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするスキマバイトサービス「タイミー」は小川嶺が大学在学中の2018年に立ち上げたサービスだ。

2023年4月時点で450万人の利用者数を誇るタイミーの成長は早かった。2018年8月のサービスローンチからわずか1カ月半で100社に導入され、利用者数は7000人を突破。同年末にサイバーエージェントの藤田晋が手がける「藤田ファンド」などから約3億円の資金調達を実施。2022年11月にも183億円を調達し、サービス開始以降、借入も含めた累計調達額は273億円にのぼる。

サービス拡大とともに従業員数も増え、2023年5月には700人を超える規模まで成長。今期末(2023年10月末)までには、1000人規模を見据えている。

2019年には「世界を変える30歳未満の30人」を表彰する「30 UNDER 30 JAPAN」を受賞し、「まずは5年で日本を代表する会社になりたい」と語っていた小川嶺。本連載では、4回に渡ってその原点から現在地までを探る。

「失敗なくして成長なし」

「失敗なくして成長はない」と小川は言う。

失敗し、それを検証して次への糧とすることによって成長があるのだと。これは、3歳から始めた将棋で得た学びだ。負けた対局を振り返って「なぜ敗れたのか」を検証し、次の対局での勝利を目指す。その積み重ねが、今の礎になっている。

振り返れば、小学生時代から「自分の時間をより豊かにするためにはどうすればいいのか」を考える子どもだったという。

東京生まれ東京育ちの小川は、幼いころから活発で目立ちたがり屋だった。学級委員長やリレーの選手に進んで手を挙げ、人の注目を浴びることを好んだ。しかし、出る杭は打たれるという言葉があるように、目立ちすぎるとそれを好ましく思わない人間も出てくる。しだいに小学校の同級生との間で軋轢が生まれ、学校生活は必ずしも楽しいことばかりではなかった。
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文=尾田健太郎 取材・編集=田中友梨 撮影=山田大輔

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