まず仮に何の制約もなく、自由に子どもを持つことができるとしたら、理想の子どもの人数は何人かを聞いたところ、最多は「2人」で約4割(39.9%)を占める結果に。次いで「3人」(24.5%)となり、「子どもは持ちたくない」と答えた人が5人に1人(20.5%)に上った。
理想の子どもの人数
子どもの将来を考える上で、日本社会にどんな不安を持つかを尋ねると、「財政悪化による医療・年金など国の基幹システムの崩壊」が最も多く、41.8%。続いて「人口減少による労働力の低下」(32.3%)、「地震など自然災害の激甚化」(27.5%)の順に。こども家庭庁に特に期待することについては、最多が「子どもの貧困の改善」(20.3%)で、「少子化の改善」(18.4%)、「児童虐待対策」(16.9%)が続いた。
こども家庭庁に特に期待すること
さらに、「子ども関連予算」を増額するための財源確保の方法として賛成意見が最も多かったのは、「途上国などに対する支援の減額」(46.5%)で、次に「法人税率の引き上げ」(44.6%)、「防衛費の減額」(39.5%)となった。一方の反対意見では、「消費税率の引き上げ」(74.6)が最多に。政府が5月22日、子ども政策予算倍増の財源を賄う方法として方針を示した社会保険料上乗せの影響を受ける可能性がある「医療費の本人負担増」は、67.4%で2番目だった。
「子ども関連予算」増額のための財源確保の方法について
少子化解消のために国や自治体、企業に求める対策については、最多が「賃金上昇(アップ)」で33.4%となり、「教育費の無料化・支援の拡大」(30%)と「出産・子育てに対する公的支援の強化」(28.2%)が僅差で続いた。
少子化解消のために国や自治体、企業に求める対策
回答者の女性からは具体的な制度・支援として、「大学まで教育費を無償化、18歳まで医療費の無償化など、 子どもにかかる費用を軽減してほしい」(20代)、「正社員比率の向上、適正な賃金、児童手当の所得制限の額を上げる」(50代)、「保育所や学童の拡充もしくはそれに代わる物があれば働く親としては安心出来る」(30代)、「病時の保育サービスの充実、時短勤務など、ママトラックに入っても仕事から外されないようにするシステム」(50代)などを望む声が寄せられた。
厚生労働省の人口動態統計(速報値)によると、2022年の出生数は過去最小の79万9728人で、統計を取り始めた1899年以降、初めて80万人を下回った。止まらない日本の少子化。経済的そして育児支援の側面からも、子育てしやすい社会の実現に向けた制度と環境の早急な整備が、求められている。
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