インターン前倒しの企業が6割に「採用のために早く動く」

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新卒採用の早期化が進んでいる。2025年卒業予定の学生のインターンシップから、「長期休暇中に実施」「開催日数5日以上」「開催日数の半数以上は、職場での就業体験を実施」など、企業は一定の条件下で実施したインターンシップを通じて取得した学生の情報を、採用広報と選考に活用できるようになる。そのため2025年卒業予定の学生は、より早い時期にアクションを起こすことが想定される。

そうした中、実際に企業は2025年卒採用のインターンシップとオープン・カンパニー(※)のスケジュールを、どのように設定しているのか。新卒採用事業を手がける学情は4月24日〜28日、398社の企業・団体の人事担当者に調査を実施した。

結果、2025年卒採用のインターンシップについて、広報の開始・開催時期を「前倒しする」と答えた企業が2割(19.1%)に。「やや前倒しする」(37.2%)と合わせて、6割(56.3%)近くを占めた。

人事担当者からは、「学生の動きが年々早まっているので、早く動かないと採用できない」「優秀な学生は、キャリア形成への意識も高く、早期から動いている傾向。優秀な学生を採用するためには、早期から積極的に動いていく必要がある」といった声が寄せられた。

インターンシップやオープン・カンパニーの広報開始時期については、最多が「2023年5月・6月」で34.4%。続いて「2023年7月・8月」(20.4%)の順に。一方で、「既に開始している」という企業も、17.6%存在した。

さらに、インターンシップやオープン・カンパニーの開催開始時期については、最も多かったのが「2023年7月・8月」で約半数(49.5%)に。次いで、「2023年9月・10月」(14.3%)、「2023年5月・6月」(12.6%)となり、「既に開催している」は4%だった。

政府は4月10日、2026年春に卒業する学生を対象とした就活ルールを見直し、高い専門性を持つ学生の選考開始を、3年生の3月から可能とすることを発表した。インターンシップの実施が条件で、現行ルールから3ヶ月の前倒しとなり、就職活動のさらなる早期化を懸念する声もあがっている。

※ 文部科学省、厚生労働省、経済産業省、3省合意を改正し、2025年卒の就活からインターンシップは、1.オープン・カンパニー、2.キャリア教育、3.汎用的能力・専門活用型インターンシップ(職場における実務体験)、4.高度専門型インターンシップ(特に高度な専門性を要求される実務を職場で体験)に分類。正式にインターンシップと認められ、企業が採用活動に活用できるのは、3.4.のみとなった。1.のオープン・カンパニーとは、主に企業や就職情報サイトなどが主催するイベント、説明会を指す。

プレスリリース

文 = 大柏真佑実

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